再利用商品をブランド化
「TOKU」がソーシャルプロダクツ賞受賞
美容業界で廃棄されるヘアカラー剤のプラスチックキャップを、石垣市平得でヘアサロン「U+」(ユープラス)を営む浦﨑智哉さん(43)が再利用してヘアコーム(くし)にする取り組みを行っている。昨年6月にブランド「TOKU」を立ち上げて商品化、ソーシャルプロダクツ・アワード2025年(一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協議会主催)でソーシャルプロダクツ賞を受けるなど高く評価されている。
浦﨑さんは八重山高校卒業後、大阪の美容専門学校を経てヘアサロングループで19年間勤務。2017年にUターンして現在地で開業した。長年、美容業界に携わる中でプラスチック類が大量に廃棄されている現状に疑問を抱き、帰島後も石垣島の自然環境の変化を身近に感じるように。
「美容師の自分にできることは何か」「美容業界から何かできないか」と美容業界から変革につなげようと決意。23年からヘアカラー剤のキャップをヘアコームにするアップサイクル商品を構想し、24年から取り組みを開始した。
具体的には、大阪時代の同僚らの協力で未使用のキャップを回収して砕き、アップサイクル事業などを展開する合同会社縄文企画(田中秀典代表)が所有する専用機械「射出生成機」でヘアコームをつくるもの。24年6月に「TOKU」の名称でブランド化した。
「Rethink=無意識の習慣を意識化して変革させる」をテーマに掲げ、美容業界の習慣を問い直すきっかけを提供したいとの思いからTOKUに「髪を梳く」「想いを説く」「課題を解く」「徳を積む」の意味を込めた。
ソーシャルプロダクツ・アワード2025の授賞式が3月26日、東京銀座の時事通信ホールであり、TOKUは審査員から「独自性のあるストーリーを持ち、循環型のものづくりの魅力を伝えている」「デザインはアップサイクル商品であることを視覚的に伝え、個性的な美しさを演出している」「小規模ながらも広がりを持たせた取り組みは、アップサイクルの理想的な形の一つ」などと評価された。
TOKUでは、カラー剤の未使用キャップを回収・アップサイクルするため、最初のキャップを使い続ける「エンドレスキャップ」を提案している。
浦﨑さんは「最終目標は、美容メーカーが生産段階でキャップが付属していないカラー剤製品を作ること。美容師の意識変革とメーカー側の仕組みづくりの両面からアプローチして業界全体の廃棄を減らし、持続可能な業界の実現を目指したい」と話している。
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