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SNSの投稿を眺めていると、かつては…

 SNSの投稿を眺めていると、かつては地域限定だった方言が全国へ広がり、新たな表現として根付いていく様子を見ることができる。地域の壁を越えて言葉が旅をする時代になった▼標準語と方言は同じ日本語でありながら、異なる思考や感性を育む。両者の間にある心理的距離は、日常会話にも影響を与えている。わが家では妻が博多弁、私は名古屋弁のため、自然と標準語での会話が定着した。次第に気付いたのは、標準語が論理的・分析的思考に適している一方で、方言には感情や感覚を直接的に表現できる豊かさがあるということだ▼同郷の友人たちと語るとき、名古屋弁が口をついて出る。とりとめのない話題が次から次へと湧き出し、会話が弾むのは、方言がもつ親密さとなじみの心地よさゆえなのだろう▼移住して20年以上になる石垣島。本来ならば「共通の方言」として地域の言葉を話せればよいのだが、恥ずかしながらまだ全く話せないでいる。他の移住者の家庭も同じ悩みを抱えているのだろうか▼方言は単なる言葉の違いではなく、その土地の文化や歴史、人々の感性が凝縮された宝物だ。デジタル時代に方言が新たな形で生き続けることは、日本語の多様性と豊かさを未来へつなぐ希望でもある▼「死なすど」が口癖の上司も捨てたものではない。(立松聖久)

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