世界の新品種ランに認定 白保の前内原さん作出「オキナワ・ピース」
長年、ランの研究を続ける前内原用吉さん(81)=石垣市白保=が作出したカトレアの品種「Rhyncholaeliocattleya Okinawa Peace」(リンコレリオカトレア・オキナワ・ピース)が、世界中のランが登録される英国王立園芸協会に2月14日付で新品種として認められた。前内原さんは「このような研究ができるのも平和あってこそ。戦後80年の年に当たるので世界平和に思いを込めて名付けた」と話した。
オキナワ・ピースは、鮮やかな紫紅色に黄色が入る大輪の花を咲かせる「Cattleya Drumbeat」と前内原さんが作り同園芸協会で1989年に新品種登録された「Rhyncholaeliocattleya Ryukyu」を掛け合わせたもの。2018年2月から1年間、フラスコ内で無菌培養したのち、5年かけて24年1月、開花にこぎつけた。
大きな花と色の鮮やかさが特徴で花付きもよく、今年に入って毎月、開花しているという。
前内原さんが初めて新品種を作出したのは、八重山農林高校で教壇に立っていたころ。この品種も同協会に「RhyncholaeliocattleyaYaeno」として1989年に登録された。
前内原さんは30代のころ、ランの花の美しさや香りに心を奪われ、40代のころから新品種の作出に取り組むようになった。
今回は、オキナワ・ピースのほかに「Dendrobium Yaeyama Blue」も新品種として認められ、作出した新品種は10種類を数える。
思い入れの強いオキナワ・ピースについて「育てやすく花もよく咲く。まだ1株しかできていないが、今後は株を増やして普及していきたい」と抱負を語った。
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