テレビは「桜大好き日本人」そのままに連日…
- 2025年04月01日
- 不連続線
テレビは「桜大好き日本人」そのままに連日桜の話題ばかり伝えている。一方で列島最南端では有事の際の住民避難をめぐり不安に揺れる▼政府が公表した八重山・宮古住民の九州・山口各県の受け入れに関する計画概要である。12万人を6日間で輸送し8県32市町村で受け入れるという。市町村の計画概要に始まり、ついに国計画レベルである。それでも不安は募る▼新たな点は避難住民のコミュニティ維持のため、小学校校区に細分化して振り分けるなどの配慮か。現実味に薄く実感がわかない▼避難の「出口と入口」を考える。自衛隊や米軍の使用が増える空港と港湾は、攻撃の対象にならないか。その場合、ひとたまりもなく避難行動は一巻の終わり▼かの国は太平洋を越え、北米に達する大陸間弾道弾を有すると伝わる。米海軍佐世保基地(長崎)、米海兵隊岩国基地(山口)に加えて、自衛隊が「反撃能力」配備を計画する九州そのものも攻撃対象となりかねない。その場合、われら避難先を失うことにならないか。九州・山口各県民も当然避難するに違いない▼だからか避難計画概要を「机上の空論」と指摘する声もある。そもそも「南西諸島に限定した戦争」などある訳がなく戦火も戦場も全国に及びかねない。今を盛りの桜の季節の不安である。(慶田盛伸)
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。