島を捨てて逃げなければならない。そんな…
- 2025年03月29日
- 不連続線
島を捨てて逃げなければならない。そんな武力攻撃予測事態を想定した計画が進んでいる。政府が27日公表した宮古・八重山諸島の住民ら約12万人の避難に関する計画である▼林芳正官房長官は「特定の有事を想定したものではない」と述べた。いつまで、そんなまやかしの説明を続けるのか。ではなぜ、先島諸島の住民を対象とするのか。先島に最も近い台湾の有事を念頭に置いているのは明らかだ▼その「台湾有事」は、中国が「核心的利益」「一つの中国」とする台湾に軍事侵攻することを想定した事態のこと。その際、米軍と自衛隊が応酬する。先島諸島に中国の武力攻撃が及ぶ。なので、あらかじめ住民らを九州などに避難させるということなのだろう▼でも、中国側からすれば、極東最大の嘉手納基地など在日米軍基地が集中し陸上自衛隊第15旅団もある沖縄島がターゲットになるのではないか。なのに沖縄島の住民避難計画は検討されていない▼先島住民の避難先となっている九州なども安全か。北朝鮮が台湾有事に乗じてミサイルを打ち込んでくる可能性だってあるのではないか▼そんなことに思いを巡らせると、今回の住民避難計画からも、先島諸島を中国に対する軍事上の防波堤にするという日米の意志が読み取れるのではないか。(比嘉盛友)
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