国の伝統工芸士に認定
八重山ミンサー・田安苗子さん
八重山上布・志村久美さん
八重山上布・志村久美さん
石垣市織物事業協同組合(平良佳子理事長、組合員58人)の織物職人の田安苗子さん(64)=新川=、志村久美さん(56)=登野城=がこのほど、国の伝統工芸士に登録認定された。田安さんは同組合として初の「八重山ミンサー」、志村さんは「八重山上布」で約30年ぶりの認定となる。
伝統工芸士認定は、経済産業大臣指定の製造地域において、製造実務経験を満12年以上積み、伝統的工芸品産業振興協会が実施する実技・知識・面接試験に合格して与えられる。沖縄県指定の工芸士は八重山ミンサー7人、八重山上布5人が認定されているが、国指定は長らく不在だった。
2人は昨年10、11月に受験して今年2月25日に登録認定された。
織物歴18年の田安さんは「48歳の時に、今やらないと後悔する」と一念発起して織物の世界に飛び込んだ。「これからもっとミンサーの魅力を伝えるために仕事を頑張りたい。また、後輩に伝統織物をつないでいくことも大事だと思う」と決意する。
志村さんは28歳のころ、子育てと仕事の両立、当時はまだ残っていた自宅の窓を開けて織物をしている光景に憧れて始めた。認定を受けて「難しくて織ったことのない織物も織れるようチャレンジしたい。先輩方にしてもらったように、後輩の手助けもできたら」と話した。
26日、認定の報告を受けた中山義隆市長は「今後も後輩の指導を含めてさらに高みを目指してほしい」とたたえた。
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