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「放送100年」という。中央から海を隔て…

 「放送100年」という。中央から海を隔てて遠く離れたわれらが島々では、およそ「放送60年くらい」だろうか。記憶の糸を手繰り寄せてみる▼沖縄で民放ラジオ開業時、放送は宮古あたりまである程度聴けたという。なんとか石垣でもラジオを聴きたい、そんな願いに応えたのが有線の親子ラジオである。柱にかけた木箱、それがラジオで、「謹んで辱知各位にお知らせ」する謹告放送は、世間付き合いに欠かせなかった▼テレビも観たい。台湾テレビの受信試験を経てテレビは「悲願」になった。放送が始まったのは昭和42年である。テレビをいち早く購入した家に近所の子どもたちが集まり、テストパターンから観た。お気に入り番組は「ぶふぶは」のドン・ガバチョ「ひょっこりひょうたん島」▼老若男女こぞって観た。「のど自慢」に「旅路」、「あしたこそ」、「紅白歌合戦」。「新日本紀行」に「特派員報告」。国内や海外の情勢を知った▼コミュニティFMの開業が平成19年。今なお謹告放送があるのが石垣らしい▼100年を迎えた放送や新聞が「オールド・メディア」として若者世代を中心に不信を突きつけられている。情報の真実性を確認しないまま拡散するSNS全盛。Wi―Fi環境さえあれば世界とつながる時代の危うさ。思えば遠くへ来たもんだ。(慶田盛伸)

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