祐清丸遭難者慰霊碑を建立

祐清丸が遭難した航路が見える東崎の駐車場に3基建立された「祐清丸遭難者 全海事遭難者 慰霊之碑 世界の海の安全と美しい海をと祈る塔」=15日

慰霊碑の除幕式に参列した(左から)伊良皆高吉氏、渡辺一雄氏、譜久嶺弘幸副町長、崎原正吉氏、黒島健氏=15日、東崎の駐車場

雨天の中、慰霊碑を前に玉串を奉奠する伊良皆高吉氏(左)
【与那国】68年前に与那国と西表島の中間あたりで浸水沈没した祐清丸の遭難者慰霊碑建立除幕式(祐清丸遭難者慰霊碑建立委員会主催)が15日、東崎展望台駐車場で行われた。悪天候の中、儀式と実行委員長の伊良皆高吉氏ら関係者が慰霊碑を除幕した。
慰霊碑は「祐清丸遭難者 全海事遭難者 慰霊之碑 世界の海の安全と美しい海をと祈る塔」と称し、祐清丸が遭難した航路が見える東崎の駐車場に3基建立された。首里城の大龍柱に使われた与那国産のフルシ(細粒砂岩)を使用し、それぞれに「祐清丸遭難者慰霊の碑」「世界の海の安全と美しい海を祈る塔」「全海事遭難者慰霊の碑」の文字が刻まれている。慰霊碑の前には遭難死没者が刻銘されたものと「与那国から人類の幸せと世界恒久平和を願う」と刻まれた石碑も並んでいる。
除幕式では、遺族による玉串奉奠と献花の後、慰霊碑の前で伊良皆氏の地謡で舞踊「無藏念佛 念仏口説」が献奏された。68年が過ぎても尚、鮮明に思い出される当時から今日の慰霊の碑の建立までのさまざまな思いに、伊良皆氏と遺族の目には涙があふれ、目頭を抑え肩を震わせた。
その後、建立の記念セレモニーが嶋仲公民館(祖納)で開かれ、建立に携わった関係者へ感謝状が贈られた。糸数町長は「伊良皆高吉氏の著書の、何らかの形で海難事故を防ぐ、あるいは犠牲者を未然に防ぐのであればこれにすぎる幸せはない。という思いを、本日の慰霊碑の建立に唱っており、非常に感慨深い。遭難の事実を伝え続ける本慰霊碑の建立を担っていただいたことに感謝したい」(譜久嶺弘幸副町長代読)とあいさつ。伊良皆氏も「建立を進める中で、海の犠牲者は祐清丸だけではない、多数の遭難者を思い全海難事故遭難者の慰霊の碑として進めようとなった。それに携わっていただいた方、応援してくださった方は数知れない。与那国町の皆さまに感謝したい」と話した。
その後、多くの舞踊や棒踊りなどが献奏された。遺族を代表し崎原正吉氏(祖納)が「この悲劇を決して忘れることなく、いま一度振り返り、未来に伝えていくことが今の私たちの使命。慰霊の碑の目的達成のため東崎から世界の恒久平和と海の安全を世界へ発信して行きましょう」と述べた。
参加者は「どぅんた」を唄い、建立の喜びと今後の世界の海の安全を願った。 (田頭瑠都通信員)
関連するニュース
- 与那国町 地震・津波想定し防災訓練 2025/02/04
- 八重山3市町で仕事納め 2024/12/28
- 事故オスプレイ撤去 2024/12/20
- 月桃の里、11月末閉鎖へ 2024/09/13
- 教科書選定理由を公表 2024/08/20
- 公民・育鵬社を不採択 2024/08/16
- 「島しょ連携、極めて重要」 2024/08/05
- 「浦崎電気」逆転V 2024/07/08
- 114㌔カジキ釣った 2024/07/07
- カジキ釣り大会開幕 2024/07/06