75年の歴史に幕 みやまえ幼稚園が閉園
- 2025年03月19日
- 地域・教育
石垣市立みやまえ幼稚園=新川=は18日、修了式を行い、4510人目の卒園生1人を送り出し、75年の歴史に幕を閉じた。修了式後の閉園式には保護者や卒園生、石垣小学校3年生らが出席、感謝を込めて別れを告げた。同幼稚園は共働き世帯の増加に園児数の減少と施設の老朽化などで閉園となる。
修了式は午前9時から行われ、3年間通った志喜屋希羽さん(5)に真玉橋真由美園長(石垣小学校長)から修了証書と賞品が贈られた。4月には石垣小学校に入学する。
絵が大好きという希羽さんは、昨年4月からことし3月までの思い出を絵と文にまとめ、「私は今日で幼稚園とはお別れです。幼稚園で楽しかったことはおおかわ幼稚園で水遊びをしたことです。小学校では勉強を頑張る1年生になります」と発表した。
真玉橋園長は「いつもしっかりあいさつをしてくれる希羽さんが大好き。希羽さんは最後の特別な卒園生。あなたの未来をみんなで応援します。これからも頑張りましょうね」と語りかけた。
保護者を代表した母親の佐貴さん(38)は「通い始めた当初は泣きやまない娘に、後ろ髪を引かれる思いで涙した日もあった。そんな娘も大好きな先生やお友達ができ、いつしか幼稚園に通うことが楽しみになりました」と振り返り、「これも先生方の温かいご指導のおかげ。数えきれないほどの思い出をずっと忘れません」と感謝した。
希羽さんと1年間過ごした上原さとみ教諭は「希羽さんはいろんなことに頑張り、とても強くなった。1年生になっても元気で頑張って」とエールを送った。
この後、関係者も出席して閉園式が行われ、希羽さんと石小3年生67人が園歌と創立40周年記念歌「はばたけみやまえっこ」を元気よく歌った。記念歌を作詞した松原愛子さん、作曲した豊川正晃さんも出席、豊川さんがピアノで伴奏した。
真玉橋園長はあいさつで「みやまえ幼稚園は本日で幕を閉じるが、心に深く刻まれた思い出が消えることはない。語り続ける限り、園の精神は生き続け、未来へと広がっていく」と述べた。
中山義隆市長、新川字会の宜野座安夫会長、歴代保護者代表の橋本昌和さんもあいさつ。このうち同幼稚園12期生の宜野座会長は当時を懐かしみながら「幼稚園はなくなるが、文先生(創設者)のまいた種は地域文化の中に溶け込み、人々の心の中にしっかりと刻まれている」と述べた。
同幼稚園は、教育者・民俗研究家の宮城文氏(1891~1990年)が1949年4月、真乙姥御嶽前の青年会館を修理して開園。宮城氏は62年度まで園長を務めた。54年に公立となり、園舎は58年に現敷地へ移転、79年に建て替えられて現在に至る。
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