ブルータスよ、おまえもか。石破総理の…
- 2025年03月18日
- 不連続線
ブルータスよ、おまえもか。石破総理の「10万円お土産代」騒動にそう思った人がきっとあるはずである▼時の総理が首相公邸に自民党の新人衆院議員15人を集めて会食を行った際、参加謝礼のお土産代として10万円相当の商品券を配った。後日全員が返却したというが、問題は配った方の「政治とカネ」への理解。自公がなぜ国民の信を失い少数与党に転落したか。なぜ自身が総理の座にあるか▼10万円あれば何ができるだろう。庶民にとって高額なのは当たり前ながら改めて考えてみる。趣味や娯楽、家電や家具製品の買い替え、国内旅行ならどこまで行けるか。不時の備えの貯蓄。いかにも庶民の例ならいくらでもあげられる▼世間づきあいにいくら包むか。思えば昭和50年代、結婚披露宴の定番は興業ホールか公民館。祝儀は2千円から3千円が通り相場だった。それが60年頃、ホテル披露宴が定着してから1万円に跳ね上がった。あれから40年、相場はいまだ1万円。「総理の土産代」の10分の1だ▼派手さがなく自身の派閥も持たぬゆえに、カネに執着しない庶民感覚に近い人、との認識は誤解だった▼とどのつまり、この騒動で唯一わかったことは、日本の政治を担う人たちはわれら庶民と違う世界に生きているということ。日本版ブルータスである。(慶田盛伸)
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