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「バイト×合宿」、2大学受け入れ 人手不足解消と活動費支援

午前中にアルバイトを行う部員たち=12日午前、太洋リネンサプライ

午前中にアルバイトを行う部員たち=12日午前、太洋リネンサプライ

午後からハードなトレーニングを行う部員たち=12日午後、サッカーパークあかんま

日本大学女子ラクロス部のメンバー=12日午後、サッカーパークあかんま

石垣島スポーツコミッション

 島内の働き手不足解消と学生の活動費支援の両立を図ろうと石垣島スポーツコミッションが昨年4月から取り組んでいる「アルバイト×合宿」事業は、ことし2月から3月にかけて仙台大学女子硬式野球部と日本大学女子ラクロス部を受け入れ、計64人が3事業所でアルバイトをしながら練習に励んだ。

 仙台大が昨年2月、初の春季石垣島合宿の際にホテルでインターンシップを実施したことをヒントに石垣島スポコミが同年4月に同事業を開始。約20事業所の受け入れ先を確保するとともに公式サイトの開設、島内事業所の協力体制構築に取り組み、日本最大の国際スポーツ・健康産業専門展スポテックへの出展などを通して誘致を図ってきた。

 ■大歓迎

 石垣島スポコミ事務局(新見弘基地域おこし協力隊)によると、全国から多くの問い合わせがあった。事務局が合宿の日程や施設の利用状況、バイト受け入れ先の調整を行い、第1弾として仙台大女子公式野球部の14人が来島。2月18日から3月4日にかけてアートホテル石垣島、太洋リネンサプライ、ファミリーマート各店でアルバイトを行った。

 日大女子ラクロス部は競技自体も石垣島初合宿で、部員50人が3月9日~15日の日程で訪れている。複数の宿舎に分散して寝泊まりし、午前8時から正午までアートホテル石垣島で4人、ファミリーマートで40人、太洋リネンサプライで6人が働く。

 このうち太洋リネンサプライではシーツ、タオル、部屋着をたたむ作業などに従事。同社は365日稼働でスタッフ82人を要するが、他の事業所同様に人手が足りておらず、宜保潤工場長は「人手不足なので短時間のバイトでも非常に助かる。アルバイトのおかげで一部スタッフを午後から出勤させて工場を長く稼働させることができるので生産能力も上がる。部員たちはあいさつも上手で元気。工場内の雰囲気も変わるなど刺激になっている」と大歓迎だ。

 ■旅費に

 部員はバイトを終えて昼食をとった後、レンタカーやマイクロバスでサッカーパークあかんまへ。午後2時から同6時までトレーニングを行い、夜はミーティング。これに朝夕の自炊とハードなスケジュールだが、新4年生の江黒結さん(21)は「バイト代を飛行代と宿代に充てることができる。違うバイト先の話も聞けるのでおもしろい」と意に介さない。

 部員たちは旅費の負担軽減のほかに別のメリットも感じているようで、白倉希海さん(21)は「バイト、練習、ミーティングを全員でやるのは初めて。目標に向かって進むために必要な経験になると思う」、桑原礼華さん(同)も「いっしょに生活をしているというおもしろい体験をしている」と話す。

 ■絆強まる

 同部は昨年の関東学生ラクロスリーグで2部から1部に昇格。7月から始まる今シーズンを日本一に向けた第一歩と位置付けている。

 渋谷春香主将(21)は「バイトと練習できつい部分もあるが、全員が共に過ごすことでチームが一つになり、絆が強くなっている。石垣島合宿を、チームが目標に向かって変わっていくターニングポイントにしたい」と意気込む。

 橋本南監督は「資金不足の上、都内では練習場所を探すのも苦労するので、バイト×合宿事業で社会に貢献し、練習場所も確保されるのでありがたい。選手たちの自己成長につながる。日本一を目指して戦う1年目。選手の意識を変え、技術を磨く合宿にしたい」と話している。

  • タグ: 石垣島スポーツコミッションアルバイト合宿
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