生活の充実など「全力で」
- 2025年03月11日
- 政治・行政
糸数町長が施政方針
【与那国】糸数健一町長は10日、開会した3月定例町議会で2025年度の施政方針を表明した。町政運営の基本方針として生活の充実、医療・福祉の充実、産業の振興、教育の充実、防災の強化、環境の整備、行財政の充実の7項目を主要施策に据え、「笑顔で健やかに住み続けられる自然・暮らし・歴史文化が調和する島を実現するため、迅速、確実、丁寧、公平、親切な行政サービスを心がけ、全力を挙げて町政運営のかじ取り役を全うしていく」と決意を示した。
基本設計業務が進められている新庁舎建設については、200人が収容可能な特定臨時避難施設の整備を予定。26年度に着工し、27年度末の完成を目指す。
与那国空港については、有事に備えるための特定利用空港の指定と滑走路延長を国や県に強く働きかけていくとともに老朽化が進むターミナル施設の改修を県に要請していく。
港湾については、祖納港や久部良漁港の改修整備を県に要望していくとともに新たな港湾の整備を国や県に求めていく。
定員割れが続く役場職員の確保については、県離島町村職員採用共同試験を活用し確保に努めるとともに、職員の労働安全衛生確保のためストレスチェックやメンタルヘルス相談など細やかな対策を実施する。
住宅の確保については、久部良第一団地新築建て替え工事で1棟3戸の建築本体工事に着手。既存の町営住宅は点検強化や修繕で長寿命化を推進し、町営住宅の維持管理に努める。
不在が続く歯科医院については、候補地の調整に時間を要しているが、誘致に取り組んでいくとともに島外への通院には渡航費助成事業を継続していく。
特別養護老人ホームの閉鎖で喫緊の課題となっている高齢者福祉については、老人福祉施設は絶対になくてはならない施設。すべての方が住み慣れた地域で元気に生きがいを持ち暮らせるための対策に取り組んでいく。
子育て支援については、少子高齢化対策事業の継続で妊産婦の検診や出産費用の一部助成を継続。産後ケア事業や産婦健康診査事業も拡充する。
国民保護にかかる避難実施計画の策定については、国・県、指定公共機関と検討会を実施し、実効性の高い計画の策定に取り組む。
自然環境保全については、与那国島には豊かな自然環境が形成され、固有種を多く含む生物相が見られ、世界的にも生物多様性の保全上、重要な島だ。次世代に引き継いでいくため継続的な保全活動を推進していく。
新年度予算は一般会計が49億7631万円、国民健康保険など五つの特別会計は8億1868万円となっている。
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