八重山毎日新聞社

　記者は非常識だと思われがち。会ったこともない人に朝夕問わず突然電話して「この件どう思いますか？」と聞くわけだから、確かに異質だろう▼一方、電話された人も何か思うところがあるらしく、電話を取ってくれないことがある。何度かけても出ないため、共通の知人を通して電話に応じるよう伝えた。最終的に直接会って理由を聞くと「知らない番号だったから」だそうだ▼かくいう私も、最近は知らない電話番号の着信だと出ない。でも宅配の電話だと困るから、その場合は番号をインターネットで調べて「安全だ」と感じたら折り返す。「＋」がつく番号には気をつける▼開会中の県議会で、県警が特殊詐欺の近況を報告した。昨年1年間の認知件数は171件で約2億1400万円の被害額。ＳＮＳ型投資ロマンス詐欺だと約14億円の被害があり、合わせると総被害額は約16億円。もはや巨大マーケットとなっている▼なお、電話番号に「＋」がつく場合は国際電話。特殊詐欺で悪用される傾向があるため、県警は電話に「出ない」「かけ直さない」よう求める。犯人から押収した名簿に載っている人にも注意喚起しているようだ▼急な電話取材に出てもらえないと記者は苦労するが、自身の安全と財産を守るためにも知らない番号には気をつけよう。（玉津盛昭）