県が導入を検討する宿泊税の議論には、最初から…
- 2025年02月12日
- 不連続線
県が導入を検討する宿泊税の議論には、最初から違和感があった。検討委員会で県は「課税免除は設けない方向で」と方針を決め、そのまま話が進んだ▼離島住民にとって沖縄本島での宿泊は、決して特別なものではない。病気の治療、部活の派遣に冠婚葬祭。生活に必要な理由で泊まることが多い。結局、離島住民も課税対象となり、その対応は「使途事業で検討」とあいまいになった▼この決定を受け、離島側はすぐに行動開始。昨年12月、石垣市議会と竹富町議会が「離島住民の宿泊税免除」を求める意見書を可決。今年1月には、石垣市議会が県に直接再考を求めた▼意見交換の場では「病院に行くのに宿泊税を払えというのか」「他の自治体では児童生徒の大会派遣は免除されている」といった批判の声が上がった▼いちおう、県が宿泊税導入を急ぐ理由も理解できる。新・沖縄21世紀ビジョン基本計画の目標として26年度には観光新税の導入が盛り込まれている上、全国でまだ「定率制」の宿泊税を導入した都道府県はない。「全国初」を狙いたいという思惑もあるだろう▼その県は2月議会での条例案提出を見送った。離島住民の理解を得るには、課題が多いと判断した。次こそは、誰もが納得できるアイデアを出してほしいもの。急がば回れだ。(玉津盛昭)
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