文化財を守れ! 「権現堂」で消火訓練
- 2025年01月31日
- 地域・教育
文化財防火デー(1月26日)に合わせた石垣市文化財消火訓練(主催・市消防本部、市教育委員会)が30日、国の重要文化財(重文)に指定されている「権現堂」=石垣=で行われた。火災発生時の通報連絡、初期消火、放水銃操作などの一連の手順のチェックや防火体制強化の必要性を再確認するとともに文化財愛護思想の高揚を図った。
訓練は午後2時20分ごろ、権現堂拝殿裏手に捨てられたたばこの残り火から枯れ葉に着火し、拝殿裏の土間で火災が発生したと想定。
清掃員の男性が火災に気付き、消火器で初期消火に当たるとともに消火栓ボタンを押して通報。連絡を受けた管理者の小林昌道住職が火災通報装置で市消防本部に通報し、敷地内に設置されている放水銃を使って初期消火活動を行った。
駆けつけた消防隊員は延焼する火災に向けてポンプ車で放水し、消火活動に当たった。
終了後、市消防本部の東崎原学消防長の代理で警防課の濵盛勝課長が講評。「歴史ある建造物を失うケースが全国で発生している。今回の訓練の結果を生かして日々の活動に生かすとともに、日ごろから火の始末に注意し、消火器や避難経路を確認してほしい」と呼びかけた。
﨑山晃教育長は「国民共通の財産を守っていくのはわれわれの責務。地域住民の防火啓発に務めていきたい」と述べた。
消火訓練終了後は、隣接ずる桃林寺境内で消火器などの適切な扱い方を学ぶ講習も行われた。
権現堂は、隣接する桃林寺とともに1614年に創建され、八重山の寺社建立の始めとされる。
戦災で多くの伝統的建造物を失った県内の中でも近世の本格的な寺社建築の唯一の遺構とされ1981年6月5日、国の重文に指定された。
同所には消防用設備として消火器1本、屋外消火栓1基、放水銃2基、自動火災報知設備3カ所、火災通報装置などが設置されている。
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