子牛初セリ、平均価格低調続く
- 2025年01月13日
- 社会・経済
JAおきなわの黒島家畜市場と八重山家畜市場で12日、2025年の子牛初セリが行われた。平均価格は八重山が48万7735円、黒島が44万6178円で前年の初セリとの比較では八重山が1万1376円安、黒島が1829円高となった。両市場のこの日の最高価格は、ともに去勢で八重山が129万1400円(新垣武信)、黒島が110万1100円(下地牧場)となった。両市場合わせて400頭が取引され、売上総額は1億9059万円だった。八重山は13日も開催される。
黒島家畜市場は県内8市場の先陣を切って午前10時に今年の初セリをスタート、八重山では午後2時から開始した。電光掲示板に表示されるセリ値が上がり、落札価格が90万円を超えると拍手が沸き起こり、100万円以上の値が付くと会場は喜びに沸いた。
八重山の初日は石垣島や西表島、小浜島、波照間島、与那国島などから上場した281頭が取引され、平均価格は雌39万7502円、去勢54万2919円、総売り上げは1億3705万3400円、平均キロ単価は1750円(前年同月比23円安)だった。
黒島では119頭が取引。平均価格は雌37万4894円、去勢49万7634円、取引総額は5354万1400円、平均キロ単価は1701円(同2円高)だった。
昨年の初セリの最高価格は八重山125万5100円、黒島128万2600円。今年の華牛は八重山が5頭のうち3頭、黒島は3頭のうち1頭が100万円の大台を超えた。
石垣島和牛改良組合の田盛英伸組合長は「初日は雌が極端に安いのと離島から上場の牛の体格が小さかったのが気になった。購買者もそのあたりを気にしているようで、石垣とそれ以外からの牛で価格に差別化が感じられた。2日目の取引に期待したい」と述べた。
黒島肉用牛生産組合の下地太組合長は「初競りということで、去年より若干平均価格は上がったものの、今年も厳しい状況が続くだろう。国や県に支援策を講じてもらいたい」と要望するとともに「今年も畜産農家が一丸となってよい牛を育てていきたい」と抱負を語った。
初セリ開始前の式典でJAおきなわの前田典男理事長は「生産農家は本県の肉用牛の生産振興に尽力していることに対して敬意を表する。購買者のみなさんは多くの方が継続してセリに参加していただいていることに感謝する」と述べた。
八重山市場で八重山市長会会長の中山義隆市長が「八重山圏域の肉用牛振興に生産農家ともどもなお一層の取り組みを強化していく」と祝辞。糸数健一与那国町長が乾杯の音頭をとった。
黒島市場では前泊正人町長が「セリ平均価格の低下により非常に厳しい状況が続いている。優良繁殖雌牛導入支援事業の継続や受精卵移植に係る支援などの新規事業の検討を進め生産基盤の強化が図られるよう取り組んでいくほか、購買者の輸送費などの負担軽減が図られるよう国への要請活動にも力を入れていく」と購買者へ積極的な取引を呼びかけた。
衆院議員の西銘恒三郎氏と葉梨康弘氏も激励に訪れた。(価格はいずれも税込み、速報値)
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