「台湾は暖かいでしょう?」と言われること…
- 2025年01月13日
- 不連続線
「台湾は暖かいでしょう?」と言われることがある。連日の寒さに、うらやむ読者もいることと思う▼八重山は台北周辺より赤道に近い。10日午前9時の気温は、石垣市登野城が13・6度、台北周辺は10度台だった▼昨年、台湾の国立故宮博物院南部院区で琉球・沖縄をテーマに開かれた「万国津梁展」で沖縄側から監修に当たった赤嶺守・名桜大学大学院特任教授(琉球大学名誉教授)の講演が11日に浦添市美術館であり、空模様の話から始まった。「台湾は、実は雪も降るし、沖縄より寒いところです」。お隣さんのことはよく分かる、とはいかない。外国は外国である▼講演では、なぜ台湾に琉球の資料があるのかという点に1時間が費やされた。蒋介石率いる中国国民党が内戦に敗北し、台湾へ逃れる時に、中国大陸から大量の文物を運び出し、そのなかに琉球に関する史資料が含まれていたということなのだが、経緯が複雑でわかりにくい▼赤嶺氏によれば、「万国津梁展」より前に、故宮は2度、琉球展を試み、不発に終わっている。このうちの1度は、中国北京の故宮とのタイアップだった▼赤嶺氏は「台湾と中国の間で文化やスポーツの交流がうまくいく時期に、北京と合同でやれれば」と期待する。スケールアップした第2の琉球展を見てみたい。(松田良孝)
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