「平和」若い世代へ語り継ぐ
- 2025年01月12日
- 地域・教育
戦争の実相や悲惨さを戦争を知らない世代からさらに若い世代へと語り継ぎ、平和な社会の構築につなげようと石垣市主催の2024年度平和フォーラムが11日、石垣市役所市民広場で開催された。小中学校と一般から120人が参加、広島・長崎へ派遣された中高生の報告や戦争マラリアの体験談、元ひめゆり学徒の証言などを通して戦争と平和について考えを深めた。
「答えを探し続けたい」
広島・長崎派遣の平和大使
石垣市平和大使として昨年8月、広島に派遣された宮里和花さん(石垣中1年)と玉城蓮さん(八重山農林高校3年)、長崎に派遣された宮里咲希さん(登野城小6年)と宮城彩花さん(同)が感想文を発表した。
このうち宮里咲希さんは「派遣の前に私は、平和な未来をつくるためにはどうすればいいのかを考えたい、と決意しましたが、明確な答えはまだ見つかりません。これからも自分なりの答えを探し、行動を起こせるように考えて続けていきたい」と語った。
「戦争さえなければ…」
八重山戦争マラリア遺族会
八重山戦争マラリア遺族会顧問で声楽家の田本徹さん(87)は平和への思いを込めた歌を披露した後、体験を語った。田本さんは旧日本軍の強制疎開命令で家族とともにマラリア有病地に避難し、49歳の母や生後3カ月の弟ら家族3人をマラリアで失った。兄も沖縄本島で戦死した。
「あの戦争は母を兄を妹を弟を奪った。本当に本当に悔しい。あの戦争さえなければと今も当時を思い出してつらくなる。戦争ほど残酷で悲惨なものはない。平和ほど尊いものはない。平和は優しい人の心によって築かれるもの。混沌とした世界に、平和な笑顔が輝くように」と祈った。
「彼女らの体験知って」
ひめゆり平和祈念資料館
ひめゆり平和祈念資料館学芸員の前泊克美さんは、石垣市登野城出身で6代目館長を務めた元ひめゆり学徒の故・宮良ルリさんの体験を通して「ひめゆり学徒の沖縄戦」を紹介。動員された学徒・教師240人のうち136人が命を落とした。このうち八重山出身者は他部隊に招集された教師を含め28人で、10人が犠牲になった。
前泊さんは宮良さんの証言を映像で流した後、「私たちに何ができるか」と問いかけ、「戦争が起こったらどうなるかを知ること。二度と戦争体験をさせてはならないとの思いから彼女たちが伝えた体験を知り、これを戦争や平和について考える指針にしてもらえるとうれしい」と語りかけた。
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