JA石垣牛 枝肉初セリ全21頭上物
「若者に魅力ある産業に」
JA石垣牛の枝肉初セリが10日、八重山食肉センターで開かれ、21頭全てが競り落とされた。全てが4等級以上の上物で1㌔当たりの平均単価は2770円、最高価格は3500円だった。1頭当たりの平均価格は129万999円、最高価格は雌29カ月の156万7500円だった。金額は全て税抜き。
セリ前のセレモニーでJAおきなわ八重山地区の町田隆本部長は「飼料価格の高止まりの影響を受け高騰が続き、畜産経営は厳しさを増している。JAとしても石垣市と連携を強め石垣牛の販売支援などへ取り組んでいく」と述べた。
中山義隆市長は「多様な消費者ニーズに対応した牛肉の生産をお願いしたい。市としても国内外の需要をとらえながら1人当たりの消費拡大や輸出拡大を推進することで需要に応じた牛肉の供給能力の維持を図る施策を講じていく。国、県、関係機関との緊密な連携のもと諸政策により畜産農家を後押し、若者が目指すことができ魅力ある産業になるよう支援していきたい」と祝辞を述べた。
乾杯の音頭は、石垣牛肥育部会の上江洲安生部会長がとった。
引き続き行われた初セリでは、上場21頭のうちA―5等級が17頭、A―4等級が4頭だった。1㌔当たり3000円以上が5頭で、うち1頭に最高価格の3500円がついたほかは、2000円台後半を中心に取引された。
初セリを見守っていた上江洲部会長は「初セリということで、ご祝儀相場となった。購買者に高値で競り落とされいいセリだった」と評価。今年度は初の1000頭オーバーの出荷を見込むことから「食肉センターのハサップ対応が整い、来年度は台湾やシンガポールへ販路拡大が期待できる。輸出の引き合いで価格がさらに上がることを期待したい」と述べた。
八重山農林高校フードプロデュース科も初セリに参加。渡久山朝海さん(3年)は「3000円を目指していたが届かなかったが、牛をセリに出せてうれしい」と振り返り、「これからも頑張って畜産を学んでいきたい」と熱気に満ちた初セリ会場で刺激を受けた様子だった。
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