24年家畜市場実績 子牛価格、下落続く
- 2025年01月08日
- 地域・教育
売上総額前年比4億5775万円減
JAおきなわが運営する八重山、黒島の両家畜市場で2024年に取引された子牛(黒毛和種)の平均価格はそれぞれ45万6191円、39万3306円となったことが八重山地区畜産振興センターの集計で分かった。平均価格は八重山で前年比3万8620円安、黒島で5万4149円安と落ち込んだ。両市場の売上総額も前年比4億5775万円減の40億1945万円に終わった。
八重山家畜市場では昨年と同水準の8140頭が取引され、売上総額36億7963万円。前年は8195頭、40億5311万円だった。
取引頭数は前年比で55頭減り、平均価格も低迷したことで売上総額は3億7348万円減少した。月別平均価格は去勢が45万円から57万円、雌が34万円から42万円の間で推移した。
奇数月にセリが行われる黒島では866頭が取引され、売上総額3億3981万円。前年は948頭、売上総額4億2408万円だった。
黒島市場は取引頭数、平均価格とも前年を下回り、売上総額は8427万円減となった。月別平均価格は去勢が38万円から50万円、雌が29万円から39万円の間で推移した。
両市場ともに22年の夏以降、落札価格が急激に悪化。23年の平均価格は22年と比較して八重山が11万円安、黒島が14万円安と大暴落。物価高による国内の牛肉消費の冷え込みのほか、巨大市場となる中国への輸出の停止など肥育農家の購買意欲の低下などを背景に24年も両市場で価格が下落し、飼料高騰とあいまって生産農家の経営を苦しめ続けている。
石垣島和牛改良組合の田盛英伸組合長は「母牛の餌を絞っている影響で栄養不足から未熟なまま産まれて死んだり、早産となるケースが獣医師から指摘されている。経営難から母牛の上場も目立つ。今年は子牛の上場頭数の減少は確実だろう」との見通しを示した。
黒島肉用牛生産組合の下地太組合長は「負のスパイラルが続き、生産農家にとっては依然厳しい状況が続くことは否定できない」とする一方、明るい兆しとして「県外の繁殖農家から県共進会枝肉部門などで優秀な成績を収めている種雄牛『美百合』の血統のメスを母牛候補として導入したいという声がある」と説明。「各地で行われる補助事業の対象となる『育種価資格本原』の有無の記載がセリ名簿に必要だ。購買者が対象牛と一目で分かるよう名簿の更新を関係機関で検討してほしい」と指摘した。
両市場の今年の初セリは、12日から県内トップを切って行われる。(金額は税込み)
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