八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

石垣島で暮らすようになって難渋させられた…

 石垣島で暮らすようになって難渋させられたのは、地名をメモすることだ。「いしがきしとのしろ」と言われても、分からない。読み方を漢字に置き換えるのは容易ではない。後になって、生粋の八重山の人でも、縁遠い島の地名は頭に思い浮かばないことがあると知った▼昨年暮れ、父親がかつて台湾に疎開したことがあるという人からメールをもらった。疎開先の地名だという漢字9文字が記され、そこへ行ってみたいというのだ▼当時の台湾の地名の中から一致するものを探し当てようとしたが、うまくいかない。目先を変えてみるため、漢字9文字の読み方をお尋ねした▼地名を的確に覚えるのは難しい。「いしがきしとのしろ」を、たとえば「意志柿市戸能代」という文字を当てて記憶していたら、「石垣市登野城」にはたどり着けないという理屈だ▼情報に多少のズレがあるのはむしろ当然である。情報検索や地理情報のツールを使い、疎開先の位置を絞り込む。運が良ければ、正確にたどり着けるだろう。台湾への疎開を追体験するなら、身を寄せていたまさにその場所にこそ行きたいと思うものだ▼80年の節目は、あやふやなキーワードを眺め直す機会になるかもしれない。台湾疎開はいまだ不明な点が多く、手がかりを充実させる意味は少なくない。(松田良孝)

 

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム