石垣焼の現代アートが特別賞
- 2024年12月29日
- 芸能・文化
「BLACK BOX2」をのぞく先に広がるブルーとグリーンの世界(金子さん提供)
国民美術協会展で特別賞「独創的で新しい視点を持った作品賞」を受けた金子夫妻(金子さん提供)
「BLACK BOX2~永遠の選択b~」をのぞき込む来場者ら(金子さん提供)
「独創的で新しい視点」と評価
「KANEKO Project」のアーティスト名で現代アートの創作活動を行っている石垣焼窯元の金子晴彦さん(63)・聖代さん(58)夫妻が、フランスで開催された国民美術協会展(4~15日)に陶器作品「BLACK BOX2~永遠の選択b~」を出展し、特別賞「独創的で新しい視点を持った作品賞」と招待審査委員賞を受賞した。これまで類似の作品がなかったと高く評価され、特別賞が金子さんの作品のために新たに設けられた。
作品は、25㌢四方で高さ50㌢の箱の中にブルーとグリーンの石垣焼陶板を敷き、周囲をガラス張りにしたもの。陶板にはあみだ模様が施されている。ブルーとグリーンで沖縄の海を、あみだ模様で永遠の選択と無限大の世界を表現した。
箱の正面に設けられた長方形の穴から中をのぞき、箱の上から陶板に光を当てると、海面がゆらぐように陶板の色が変化し、不思議な世界へと誘う。審査員からは「われわれを旅へと誘う壮大な芸術作品」と称賛された。
金子夫妻は「名誉ある賞をいただき、大変光栄。この作品を通じて沖縄の自然と文化が国際的な舞台で広く知られることを願っている。この受賞は、私たち自身の制作過程における挑戦と探究の成果として非常に励みになる」と喜び、「今回の受賞を契機に、さらなる国際的なプロジェクトに取り組みたい。自然・文化・現代アートの融合をテーマに、見る人の感性を刺激し続けていきたい」と話している。
作品は石垣焼窯元で展示されており、自由に鑑賞できる。
フランスの国民美術協会は1862年に設立された歴史ある美術団体。フランスの五大美術団体の中で歴代大統領が後援する唯一の団体。協会展「Salon des Beaux―Arts 2024」はソルボンヌ大学院医学部キャンパス内の歴史的建物、コルドリエ修道院の食堂で開催された。
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