ベチベルしめ縄に 石垣市赤土対策協
石垣市赤土等流出防止営農対策地域協議会(松川英樹市農政経済課長)が、赤土流出対策として普及に努めているグリーンベルト用植物のイネ科多年草「ベチベル」をしめ縄に活用し、市役所応接室で26日、「畑と海を守るしめ縄」として披露した。赤土協はこれまでにカツオわら焼き、焼き物へのベチベル活用を図っており、しめ縄にも利用できることをPRした。しめ縄は市に贈呈、27日から市役所正面玄関に飾られる。
同協議会は、赤土流出防止対策をしながら農家が収益を得られる仕組みをつくろうと、ベチベルを二次活用して商品化する取り組みを進めている。すでにカツオのたたき用として、焼き物の火だすき用として使用されており、焼き物は市のふるさと納税の返礼品に選定されている。
今回はベチベルそのものを材料にしめ縄をつくった。約10年にわたってほ場のグリーンベルトにベチベルを使用しているサトウキビ農家の宮城康昌さん(63)・由紀子さん(58)夫妻=石垣市新川=が刈り取って乾燥させた後、赤土協に提供。赤土協が幅1・5㍍、高さ1・2㍍の巨大しめ縄に仕上げた。
水谷朝子農業環境コーディネーターは「ベチベルは長くでやわらかいので使いやすい。活用法はまだたくさんあるので、その一例としてしめ縄も知ってもらいたい」と話した。
由紀子さんは「ベチベルは大雨のときも土が流れるのを防いでくれ、土が残って隣の畑と段差ができるほど効果が出ている。雑草の種が跳んでくるのも防いでくれるので農薬も減る」と効果を強調、「ベチベルがいろんなところで活用されれば農家の収益にもなり、赤土防止対策が広がっていくのではないか」と期待した。
一方、ベチベルは刈り取りから乾燥、販売までの工程が確立されていないため、赤土協は次年度から日常的に提供・販売販売できる体制の構築に取り組む。
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