「月桃の里」事業継承が難航 与那国町一般質問
【与那国】11月に閉鎖された島内唯一の特別養護老人ホーム「月桃の里」の事業の継承が難航していることが16日に開催された12月定例与那国町議会一般質問で分かった。上地常夫氏が今後の具体的な動きについて質問。長寿福祉課の真地秀門課長は「問い合わせのあった県内外の事業者を月桃の里側に紹介したが決まらなかった」と説明した。同施設には9月時点で22人の利用者がいたが、11月末までにほかの施設へ移った。(4面に質問要旨)
同施設は2000年に▽入所介護▽ショートステイ▽デイサービス―を柱に事業をスタートさせたが、町の指定管理を受けて町社協が始めたミニデイサービスと競合し、採算性が合わなくなったデイサービス事業は撤退。デイサービスによって維持されてきた高齢者との接点が無くなったことでショートステイの利用につなげられなくなり、その後、ショートステイも廃止。入所介護のみを受け入れていたが、人手不足などの影響で運営が困難となり11月末で閉鎖した。
長寿福祉課によると県内1事業者、県外2事業者から連絡があり、月桃の里につないだが、2事業者は折り合いが合わなかった。現在も1事業者と協議は続いているが再開のめどは立っていない。
糸数健一町長は「特養はなくてはならない。引き継ぎたい事業者もあったがマッチングしなかった。町としては月桃の里の理事長にどうしたいか決めてもらい町に知らせてほしいと伝えてある」と現状を説明した。
上地氏は「定住に関わる一丁目一番地だ。町がリーダーシップを発揮して指定管理しないと解決しない。利用者、その家族とどんどん島から人がいなくなる」と早急な対応を求めた。
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