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ヤマネコを放獣 西表野生生物保護センター

51日間の治療とリハビリを経て自然に帰されたイリオモテヤマネコ。首には追跡用の発信機が装着されている(野生生物保護センター提供)

51日間の治療とリハビリを経て自然に帰されたイリオモテヤマネコ。首には追跡用の発信機が装着されている(野生生物保護センター提供)

衰弱から回復し自然へ

 環境省西表野生生物保護センターは9日、ことし10月18日に西表島東部の前良橋で保護したイリオモテヤマネコを美原地区の森林内で放獣した。同個体には追跡用の発信機が首輪に取り付けられており、野生での様子をモニタリング。今後の保全などに生かしていく。

 放獣されたイリオモテヤマネコはメスの成獣で、保護時の体重は1・97㌔と著しくやせ細っていた。同個体は昨年9月に続いて2度目の救護となった。

 検査の結果、左目の角膜炎と右目の角結膜炎が確認されたほか、重度の栄養失調状態や貧血が認められた。衰弱の原因については不明。発見時は、車道でうずくまり、片目がつぶれているように見えた。

 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄や地元の野生生物ドクターらによる治療とイリオモテヤマネコ保護増殖検討会委員の助言を受けながらの同センターでの51日間の保護飼育を経て順調に回復。体重も3・58㌔まで回復したことから野生復帰となった。

 今後、集落付近や道路に現れる可能性もあることから、同センターでは「発信機を付けてその後を見守っているが、万が一、けがをしたり弱っているところを発見したらセンターまで連絡してほしい」と呼び掛けている。

 弱っているイリオモテヤマネコはニワトリなど捕まえやすい家禽を狙いに来るケースがあることから「飼育小屋などに穴がないか点検してほしい。補修資材も配布するので、気軽に相談してほしい」としている。

 目撃情報や問い合わせは同センター(85―5581)まで。

  • タグ: イリオモテヤマネコ放獣
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