大塚氏に環境大臣表彰
- 2024年12月13日
- 自然・科学
平久保サガリバナ群落の公園化に貢献
竹富島など八重山を中心に沖縄の島々の「原風景」を約50年にわたって撮り続けている写真家の大塚勝久さん(83)=那覇市=が、自然公園の保護と適正な利用に関して顕著な功績のあった自然公園関係功労者として環境大臣表彰を受けることになった。環境省が12日発表した。大塚氏は同省沖縄奄美自然環境事務所管内から選ばれた。表彰式は18日、同省で行われる。
大塚氏は1980年から本格的に西表石垣国立公園の自然風景や生活・祭祀を写真に収め、その魅力の発信・保存のための普及啓発に努めており、特に平久保半島のサガリバナ群落の保全活動と地元調整、公園区域編入に尽力したことが評価された。
大塚氏の写真集「平久保半島サガリバナの原風景」は、2015年12月に中央環境審議会委員6人が現地視察を行った際の参考資料として提出され、全員一致の国立公園化同意に貢献した。
国立公園内の竹富島には長年通い続けて写真集「うつぐみの竹富島」など2冊に収め、他の記録写真も含め竹富公民館の共有財産に。平久保サガリバナ保存会、ビーチクリーン団体「海Loveネットワーク」の創設会員となるなど環境保全活動も行っている。
大塚氏は「八重山諸島に通って50年、特に竹富島では今は亡き先人たちから生き方を学び、写真家として『人間性の原点回帰』なる大きなテーマをいただいた。お世話になった方々のご冥福を祈りたい」と感謝する。
その上で「米盛三千弘・邦子夫妻との出会いによって平久保半島サガリバナ大群落に接し、国立公園化に向けて貢献できたことは写真家としてこの上ない喜び。サガリバナ大群落や天然の星空、海・山・森の亜熱帯の豊かな生態系や自然景観が原初の形で息づいている平久保半島を、郷里の誇りとして次世代につないでいただけたらと思う」と話している。
大塚勝久(おおつか・しょうきゅう)氏。1941年大阪生まれ。那覇市在住で沖縄県の美ら島沖縄大使。自動車メーカーのカメラマン兼宣伝広報時代の1973年に初めて来県、1980年には退職してフリーに。これまで写真集10冊を含め23冊(共著含む)を著した。石垣市政功労者表彰、第39回八重山毎日文化賞特別賞などを受賞している。
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