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祐清丸遭難 風化させず

勇壮な太鼓で座開きを行う与那国町嶋仲公民館の「棒座」=4日夜、市民会館大ホール

勇壮な太鼓で座開きを行う与那国町嶋仲公民館の「棒座」=4日夜、市民会館大ホール

自ら作詞した「念佛口説」を歌う伊良皆高吉氏(右から2人目)。これに合わせて舞う八重山伝統舞踊無錆乃会の川井民枝会主

慰霊碑建立へチャリティー公演
石垣 与那国舞踊など披露

 与那国島東崎での「祐清丸遭難者慰霊之碑」「全海事遭難者慰霊之碑」「世界の海の安全と美しい海をと祈る塔」の建立に向けたチャリティー公演(祐清丸遭難者慰霊之碑建立委員会・遭難死没遺族会主催)が4日夜、石垣市民会館大ホールで開催された。多くの人が賛同して訪れ、建立を支援した。

 公演には与那国民俗芸能伝承保存会、与那国町嶋仲公民館、与那国出身民謡歌手の宮良康正さん、勤王流八重山舞踊保存会無錆之会川井民枝道場、フラダンスのメケアロハプメハナら団体個人が出演、13演目を披露して舞台を盛り上げた。

 与那国の「棒座」と舞踊「道唄」「旅果報」に続き、祐清丸遭難事故の生存者で慰霊碑建立委員会会長の伊良皆高吉氏(86)=県指定無形文化財八重山古典民謡技能保持者、石垣市新川出身、東京都在=が作詞した「念佛口説」が披露された。

 伊良皆氏は「雨や嵐に混じりやい/山なす波は幾度か/父 母呼ぶ声消え失せり」「幾分 雨風弱まりて/顔のしぶきを拭いさり/母の笑顔か おぼろ月」「運よく明け方救われて/姿失したる人々は/何処か問えども便りなし/何処にてか命あて永らいたぼれ」と歌い上げ、振り付けをした無錆乃会の川井民枝会主が舞った。

 この後、糸数健一与那国町長はあいさつを行い、「祐清丸の遭難者の御霊に黙とうをささげたい」と呼び掛けて来場者全員で死没者を追悼。糸数町長は「伊良皆氏の著書によると、祐清丸の遭難事故は防ぐことができた。事故を風化させず、検証して伝承していくことが大切だ」と述べ、来場者のチャリティー協力に感謝した。入場料2000円は建立費に充てられる。

1957年、16人死亡

 祐清丸は石垣島と与那国島を結ぶ貨客船で1957年1月18日に西表島白浜から与那国島に向かう途中、与那国島沖合で浸水・沈没し、乗員乗客28人のうち16人が亡くなった。この遭難者とすべての海難死没者の慰霊碑2基、世界の海の安全と美しい海を願う塔が与那国島東崎に整備中で、来年の早い時期に除幕式が行われる。

 

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