「平久保半島ブランド」守ろう
石垣島北部にある平久保半島の貴重な歴史や文化、自然資源、星空を活かしながら次世代に継承し「平久保半島ブランド」を守るため、平久保半島自治協議会(理事長・前田末和久宇良公民館長)が28日に設立された。対象の伊原間・明石・久宇良・平久保・平野の5公民館を中心に平久保半島共同憲章にのっとり地域全体で協力し、持続可能な発展を目指す。
豊かな農漁村集落が特徴の平久保半島では、コロナ禍からの観光需要回復に伴いマナーが悪く危険な行為をする観光事業者の進出が増えて地域住民を悩ませている。また、平久保、久宇良、明石、伊原間でリゾート宿泊施設の開発計画も持ち上がっており、自然環境や景観が損なわれないか懸念も出ている。
同協議会は同憲章を基に、住民が生活道路や海岸を安全に利用できること、統一した景観の維持、星空保護のため光害を増やさない取り組み、自然環境と調和した持続可能な経済活動の推進などを行っていく。
同憲章はリゾート開発行為に反対するものではなく、外部からの企業や事業者と対等に交渉し、地域住民の生活環境を守る。さらに悪質な事業者から地元事業者を保護する側面もある。同協議会の考えに賛同し、協力してくれる事業者に対して認定を与えて付加価値を高めていく。
一方、ことし3月末時点で5地区の人口は373人と過疎化が深刻。協議会の活動を踏まえて「平久保半島は自然環境と星空が保護されている場所」とブランドイメージを定着させ、観光や移住者誘致を通じた地域の活性化を図る。
28日夜、久宇良公民館で設立式が行われた。5公民館の関係者、環境省石垣事務所、八重山ビジターズビューロー、石垣市観光文化課などの職員が出席。設立調印書に5公民館館長が署名し、野底地区の兼城出身でこれまで協議会事務局と意見交換をしてきた我喜屋隆次市議が立会人として名前を記載した。
協議会理事長の前田久宇良公民館長は「開発行為の前にいろんな問題が出るだろう。設立をきっかけに、自然を大切にして平久保半島の海を残し、空を残せるよう、いい知恵を出し合いたい」と意気込みを述べた。
構成メンバーは次の皆さん。
▽理事長=久宇良公民館長(前田末和)▽理事=伊原間公民館長(比嘉文男)、明石公民館長(仲里薫)、平久保公民館長(伊波政浩)、平野公民館長(中村智子)▽監事・相談役=八重山ビジターズビューロー(綿貫周平)▽事務局=平野(掘井太朗)、平久保(朝倉隆介)久宇良(吉田友厚、新垣信成)、明石(眞榮城玄鉄)、伊原間(田中絢子、秀倉雄太)
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。