住民投票を求める会、解散 活動6年、陸自計画の賛否問う
「新しい市民運動の流れつくった」
平得大俣への陸上自衛隊配備計画への賛否を問う住民投票の実現に向けた活動を展開してきた石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)は27日夜、市健康福祉センター検診ホールで解散集会を開き、6年間の活動を振り返った。金城代表(34)は「僕たちはこれまで活動できたのは皆さんのサポートのおかげ」と感謝、会場からは「新しい市民運動の流れをつくってくれた」などとねぎらいの言葉が相次いだ。
求める会は2018年10月に設立された。当時20代後半の金城代表ら若いメンバーが中心となり、市自治基本条例第27・28条(当時)の実施義務規定を踏まえて有権者の4分の1以上となる1万人を目標に署名活動を展開。期限の1カ月で有効署名1万4263筆を集め、住民投票の実施を中山義隆市長に直接請求したが、議会で否決された。
その後、市長の実施義務の確認を求める義務付け訴訟と市民が投票できる地位にあることの確認を求める当事者訴訟を相次いで提起したが、義務付け訴訟に続き当事者訴訟はことし9月26日、上告が棄却された。
集会で弁護団は「国防に関する裁判は、訴えを退ける判決を出すために理屈を考えたと言わざるを得ない」「個々人の権利が踏みにじられる恐ろしさを感じた」と振り返りつつ、「署名した市民の意思は今も生きている」と意義を強調した。
会場からは「若い人たちが動いて進めた運動はすばらしかった。残念な結果に終わったが、島の中にはそういう力がある」「政治参加を諦めることが本当の負け。そうならないよう住民参加の石垣市をつくっていこう」と前を向く意見があった。
50代女性は「彼らは分断を避けることに重きを置いていた。新しい市民運動の流れをつくってくれてありがとうと言いたい」「『愛とユーモア』をうたい、意見の違う人が分かり合うことがいかに大事かということをしみじみ感じた。子どもたちにはそれが伝わればいいなと思う」と話した。
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