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「午前8時台の石垣―那覇便がなくなった」と…

 「午前8時台の石垣―那覇便がなくなった」と話す石垣市民に会った。今では朝イチで沖縄本島に用事がある場合、前日入りするらしい。これまで不要だったホテルでの宿泊が発生することになる▼関心がない人もいるだろうが、県は観光目的税として2026年度から宿泊税を取ろうとしている。県内の宿泊施設に泊まる人から、一人当たり一日分の宿泊費用に2%(上限2千円)を上乗せして徴収、観光振興に充てる。来年2月、県議会に条例案を提案する流れ▼県の検討委員会では観光客と県民の別なく、広く宿泊者から税を徴収するとの結論に至った。日常的に沖縄本島へ出向く離島住民を代弁する意見は、最後の第3回検討委で強く出た▼ある委員が「皆さんには考えられないだろうが、親知らずを抜くにも那覇に行く。免除が必要」と主張するも「まずは軌道に乗せよう」といった総意に、うまくまとめられた感がある▼一応、検討委は離島住民が通院や買い物で沖縄本島に宿泊する現状を把握し「使途事業で検討」と何らかの考えがあるようだが、どう対応するのかわからない▼生活路線の石垣―那覇便も県の宿泊税も、目先の事情に追われて住民を置き去りにしないように。離島に住む時点で不便は承知だが“離島苦”を増やしてはならない。(玉津盛昭)

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