竹富町 新型ごみ施設 実証実験
- 2024年11月26日
- 政治・行政
竹富町は25日、小浜島細崎地区で新たな小型ごみ処理施設の実証実験を始めた。オルバヘルスケアホールディングス㈱(前島洋平社長、岡山県)が開発した自然分解促進型アップサイクルユニット「オルステック」という処理機で無燃料、無火気、無分別が特徴。有機ごみが300分の1に減容される。町は来年2月末まで実証実験を行い、本格導入につなげたい考え。将来的には各島での完結型ごみ処理を目指す。
町は島々の焼却施設の燃料費、ペットボトルや空き缶などの海上輸送費、焼却施設のダイオキシン検査などに年間約3000万円を当てており、オルステックの導入でこれら費用の大幅削減を期待する。町民にはごみ出しの簡素化、指定ごみ袋の低減化を図る。
オルステックは、同社が大阪大学の加藤栄一招聘准教授との共同研究で開発したもので、特許も取得している。金属やガラスなど無機物以外の廃プラ、食品残渣、生ごみ、木くずなど有機物をすべて処理することが可能。「木材乾留」という技術を応用した装置で、低熱によって有機物を炭化↓炭酸塩に分解する。炭酸塩は土壌改良などに活用できる。
実証実験で導入した装置は幅2・4㍍、高さ2・6㍍で奥行き2㍍。一度に45㍑袋を30袋以上投入でき、約8時間で炭酸塩に分解される。最初に熱を加えるために電気を必要とするが、24時間連続運転の場合でも1万円前後に抑えられる。専用太陽光蓄電池を使えば電気代もかからない。
町は細崎地区(42世帯約100人)での実証実験でごみ量の削減効果やごみ出しの煩雑性緩和、維持管理費などのデータを集め、1台の装置でどれくらいの世帯や人口をカバーできるかどうかなどを検証する。
前泊正人町長は庁議室で会見し、「新たなごみ処理機を導入することでごみ処理のランニングコストが相当抑えられ、生ごみも処理できるので煩雑性も少なくすることができる。本格導入されれば抜本的にごみ処理の問題が改善され、町民の生活の質が向上する。島内で発生するごみは島内で処理する完結型を目指したい」と述べた。
同席した同社の桑村勝之常務取締役営業本部長は「島内のごみは島外に出さないという活動に我々として最後までお付き合いし、しっかりとアウトプットを出していきたい」と語った。
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