八重山毎日新聞社

　「わからない」。友人グループラインに飲み会定例会の告知が入った。その冒頭がこれ。続く文章も何の脈絡もなく意味不明。謎を放置したまま飲み会突入▼「して、何がわからんば？」。ビール片手にさっそく始まる時事トーク。問えばここ数日間のニュースという。ＳＮＳが大逆転をもたらしたと報じられた兵庫県知事選挙。既成メディアへの不信と「パワハラはなかった」などの陰謀論を信じるのはなぜか。辛口ぞろいの時に辛辣（しんらつ）、時に絶妙、微妙▼論談風発というほどでなくとも話題は飛び、次なるネタは尖閣映画。愛国や日の丸、日本人としての誇りを強調するような主張の映画にならないか？　それよりなぜ今尖閣映画か。市民のニーズはあるか、近隣外交をどう考えるか▼「一番わからんのが台湾航路のフェリー購入。前のめりすぎないか」「赤字が出たら誰の責任？」「いったい何の、誰のため？　台湾企業誘致のため？」「従業員集めの大学誘致や移住促進って？」「公的使用優先て何か？」「表に出ない情報まだあるのでは？」。疑問は次から次。ビールを飲めば口角泡▼やっぱりわからない。その予算、子どもたちのために使えればいいのに▼ほろ酔い加減の疑問は深まるばかりで、なんの結論も得ることない集いなれど、わからない、をなくしたい。（慶田盛伸）