米軍、防災訓練に初参加
- 2024年11月22日
- 政治・行政
来月1日に実施される2024年度石垣市民防災訓練(石垣市主催、竹富町・石垣島地方気象台共催)に米軍が初めて参加することが21日、市定例記者懇談会で分かった。市防災危機管理課によると、米軍の医療関係者7人が市役所周辺の職員駐車場で救護所を設営し、トリアージなど衛生訓練を行う。在沖米軍は2022年4月の防災訓練を視察しており、今回の訓練で日米の連携強化をアピールするとみられる。
米軍への訓練参加は石垣市が依頼した。理由について中山義隆市長は、2011年の東日本大震災で米軍の「トモダチ作戦」展開を例示し、「大規模災害のときは支援に自衛隊が最優先で来てもらえると思うが、今回想定している死者数や傷病者の数は甚大。自衛隊だけではマンパワーが足りないので、いざという時に米軍の力も借りる必要がある」と述べた。
訓練には陸海空の自衛隊も参加する。空自と陸自はヘリも運用。孤立地区などから避難者役の住民を輸送するとみられる。観光客の早期帰宅支援訓練には、石垣島の洋上で待機する海自の補給艦「おうみ」に旧空港跡地のヘリポートから参加する市職員30人を移送する。ヘリには中山市長も搭乗するという。
市によると、陸海空自衛隊の参加は過去にもある。
防災訓練は、午前・午後の二部構成。第一部は各地区で津波避難訓練を行う。津波災害警戒区域、市民の各自宅の位置関係を確認し、一時避難場所へ避難する所要時間の確認が目的。
主会場の白保地区では、避難場所の高台「ユムナリ」まで距離が遠いため、車両避難を実証的に試みる。課題を洗い出して解消に取り組む。そのほか、各公民館を中心に避難誘導訓練や炊き出しなどをする。
第2部では、地震津波発生から3時間が経過したことを想定して、支援部隊の受け入れ訓練を実施。沖縄県の想定では、八重山諸島南方沖地震3連動で死者は1900人以上、負傷者9千人以上、重傷者は3千人以上を想定。支援物資の受け入れ、孤立地区からの観光客輸送訓練、救出救助訓練、重傷者の島外医療機関への輸送訓練、観光客の早期帰宅支援訓練をする。
訓練時間は午前10時~午後4時まで。
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