地区防災計画作成へ
内閣府モデル事業に
石垣市白保地区が内閣府の2024年度地区防災計画作成モデル創出事業(全国4地区)に選ばれ、地域の特性を踏まえた住民主体の地区防災計画が今年度内に作成されることになった。市での同事業の導入は初めて。作成後は、石垣島全体を網らした石垣市地域防災計画に反映させる。所管の市防災危機管理課(富浜公雄課長)は白保地区をモデルに他地区に拡大させる考えだ。
白保は▽1771年の明和大津波で住民1574人のうち1546人が犠牲になるなど壊滅的な被害を受けている▽地域コミュニティーのつながりの強さがある―ことから市がモデル事業に推薦し、採択された。同事業では、住民が地区防災計画の素案を策定し、市町村へ提案できる「計画提案」の仕組みが採用されている。
市全体の地域防災計画で白保地区は小高い丘にあるユナムリィ(与那岡)が津波一時避難場所に指定されているが、集落から離れているため津波到達時間内に避難することが困難となっている。
このため地区防災計画では、地域の事情に詳しい住民が集落に近い一時避難場所があるかどうか、避難ルートが確保されるかどうかなどを検討し、計画に盛り込んでいく。
作成に向けた第1回のワークショップが16日、白保公民館で開かれ、公民館や自主防災会、消防団などの役員ら32人が参加した。内閣府で防災を担当する西澤雅道政策統括官付企画官が地区防災計画制度の概要を説明、跡見学園女子大学の鍵屋一教授がアドバイスした。年度内の計3回のワークショップで作成を目指す。
12月1日には石垣市民防災訓練が予定されていることから、市は白保地区で住宅が集中する国道海側から国道を横断して車両によるユナムリへの避難が可能かどうか実証するなど課題を洗い出し、地区計画作成に生かす。
富浜課長は「地域のことは地域の人たちがよく知っているので、白保地区を皮切りに地区防災計画を他地区に波及させていきたい」と話している。
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