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「日本の夜明けは近いぜよ」。いかにも幕末の…

 「日本の夜明けは近いぜよ」。いかにも幕末の志士、坂本龍馬の言いそうなフレーズである。というより、全国的には土佐弁の代表格としてとらえられる「ぜよ」▼ところが、その「ぜよ」が聞こえない。2年続きで高知県を旅した印象。ケンミンとなって1年半の孫たちは、さぞ「ちび龍馬」になっているかと思いきや、「宿題すんだが~」に「今やりゆうき」「やりよるで」。「が」に「ゆうき」「で」。「ぜよ」はと問うと「何? それ」▼地域の人たちの土佐弁は味わい深い。「方言は地域文化の根幹」など一切気負うことなく、相手が日本最南端からの遠来の客だろうがお構いなし。自分たちの言葉をあたりまえに使う小気味よさ。まるで土佐弁が標準語と信じているのではとさえ思ってしまう。一方で死語の「ぜよ」も、観光用につかってみせる奔放なところもある▼個人的に、石垣島では宮良の人々に方言巧者が格段に多い印象がある。「めーらむにや八重山標準語」と豪語するつわものもあり、他村の人にもあたりまえにめーらむにで話しかける。高知に通じる奔放さ▼言葉の伝承には、そのあたりまえがいいのかもしれない。使用頻度が高ければ残り、使わなければ淘汰(とうた)され死語になる。自然のことわりである▼「ぜよの国」で、そんなことを思った。(慶田盛伸)

 

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