八重山語方言で演劇
- 2024年11月18日
- 芸能・文化
スマムニ広め隊 活動10周年記念公演
消滅の危機にある八重山語「スマムニ」の普及・継承に取り組んでいるスマムニ広め隊(東大濵剛隊長)は17日、活動10周年記念公演として初のスマムニ方言劇「アンパルヌ ミダガマ」を市民会館中ホールで上演し、劇を通してスマムニの浸透を図った。会場は満席となり、関心の高さをうかがわせた。
劇は、八重山古謡「網張ぬ目高蟹ゆんた」の絵本版「あんぱるぬゆんた」(我がーやいまの自然環境を考える会発行)を脚本化したもので、東大濵隊長がスマムニに翻訳して40分弱の劇に仕上げた。
アンパルにすむめだかガニの生年祝いに島中のカニたちが集まって歌い踊る様子を表現し、そんなカニたちから農民が生きる希望と勇気を見いだす物語。小学1年生から80代まで30人が出演した。八重山高校郷土芸能部が協力出演し、唄三線と踊りによる演舞「アンパルヌ ミダガマ」で舞台を盛り上げた。
東大濵隊長は「小学校では放課後クラブで教えているが、中高の教育現場に入り込んでいないのが課題。スマムニは継続しないと忘れてしまう。スマムニは難しいものではなく、誰でも分かるようになる。単語をちりばめた会話でもいい。言葉は文化なので残していきたい」と決意新た。標準語訳入りの台本をつくったため、「縮小もできる」と学習発表などへの活用も促した。
来場者のうち、スマムニを流ちょうに話す80代男性は「スマムニは文字を見るだけでは覚えられない。音として話したり聞いたりするのが大事。方言劇はセリフとしてスマムニを覚えるので上等だった」と話した。
劇を前に10周年セレモニー「サニシャーリゥ マリビー」を行い、「マリビーヌ ウタ」(誕生日の歌)を全員で歌い、節目を祝った。
山川和彦麗澤大学教授による基調講演「地域のことばと観光」、マシュー・グエイ千葉流通経済大学准教授による「私がスマムニスタンプラリー活動家になった経緯」もあり、山川教授は「言葉はその土地の魅力を伝える要素になる」と話した。ミヤギマモルさんによるスマムニ版の「やいま」「三拝云(ミーファイユー)」の演奏もあった。
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