財務省が農水省の鳥獣被害を防ぐための取り組みを…
- 2024年11月15日
- 不連続線
財務省が農水省の鳥獣被害を防ぐための取り組みを支援する交付金をやり玉にあげ、予算削減や厳しい要件を突き付けるなど現場への締め付けともとれる方針を示している▼同省は実地調査を行った33カ所の農地のうち、約8割で侵入防止柵の正しい設置・維持管理が行われておらず、鳥獣被害の減少が進んでいないと指摘。費用対効果を盾に整備費用の交付を行わないなどの見直しをすべきだとしている▼島内の農作物へのイノシシなど害獣被害は、市に寄せられた件数ベースで見ると2019年度に70件だったものが22年度には149件と倍増している▼農家が丹精込めて育ててきた作物を食い荒らす害獣被害。朝、起きて無残に荒らされた畑を目にする農家の気持ちを思うといたたまれない。直接的な損害の上に営農意欲をそぐような事態は後継者問題を引き起こし、優良農地の衰退につながりかねない▼農家や関係者は、沖縄には柵を乗り越えるシカやサルがいないことからイノシシへの侵入防止効果は絶大だと訴えている▼国民から預かった税金。効果的に活用されているか点検することが必要なのは言うまでもないが、財政負担軽減ばかりにとらわれていないか。財務省は地域の実情を踏まえ、現場の声を聞くべきだ。安易な交付金の削減は許されない。(立松聖久)
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