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原爆の記憶 伝え残す 「あの夏の絵」

演劇「あの夏の絵」のラストシーン。生徒ら(左側)と被爆者が語り合う=13日午後、市民会館大ホール

演劇「あの夏の絵」のラストシーン。生徒ら(左側)と被爆者が語り合う=13日午後、市民会館大ホール

石垣第二中生が演劇鑑賞 16日に一般公演

 広島を舞台に原爆の記憶を伝え残すために語り始めた被爆者と、その証言を絵にしようと挑む高校生たちの物語を描いた演劇「あの夏の絵」の学校公演が13日午後、石垣市民会館大ホールで行われ、石垣第二中学校の生徒が鑑賞した。一般公演は16日、行われる。

 演劇は土方与志・秋田雨雀記念青年劇場の製作・出演。文化庁の文化芸術振興費補助金を受け公益社団法人日本劇団協議会が主催した。同劇場の八重山公演は約16年ぶりとなる。

 「あの夏の絵」は被爆から70年を迎えた2015年夏の物語。広島市立基町高校で実際に行われている「原爆の絵」を描く取り組みがモデルとなっている。

 美術部の生徒役3人と顧問役1人、被爆者役2人が出演した。生徒たちが「被爆者の手となって描く」「被爆者が見たものに近づけたい」と証言をもとに被爆者の足跡をたどったり、当時の資料を探したり。被爆者は絵の製作過程を通して細部の記憶を思い出し、生徒たちは証言や取材を通して原爆の実相に近づいていくという内容。

 鑑賞後、後呂夏妃さん(2年)は「舞台での話だが、本当に体験を聞いているみたいだった」、岩田丈太朗さん(1年)は「重い話だったが、笑いも交えていたので理解がしやすかった」、伊波寛徹さん(1年)は「沖縄戦やマラリアの話は聞いているが、広島での証言は聞いたことがなかったので貴重な体験になった」とそれぞれ感想を話した。別の生徒は「証言を聞いて絵を描くことは、亡くなった人の思いや被爆者の思いに寄り添うことと思った。人の心を感じた」と話した。

 14日は石垣中、富野中を対象に学校公演が行われ、16日は午後2時から一般公演が行われる。一般公演は一般3000円(当日3500円)、高校生1000円、中学生500円。

  • タグ: あの夏の絵原爆
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