一日は24時間。ある日、スマートフォンを…
- 2024年11月13日
- 不連続線
一日は24時間。ある日、スマートフォンをいじっている時間が5時間19分もあった。スマホを眺めて何かを得ているのだろうが、きっと何かを失っている▼例えば朝起きると、外のようすを見る前に、スマホのアシスタントAI機能を使って「きょうの天気」と聞く。「一時くもりのようです」。音声が返ってくる。自分で考えなくても天気ぐらい分かる▼最近の若者は知らないだろうがスマホやインターネット、テレビにラジオがない時代は、その日の天候や生き物をみて天気を予想した。それを実証することわざがある▼東の海上に雨が降る時は島にも降る。ヤドカリがはい回ると雨が降る。カラスが巣を低い所に作ると台風の年になり、高い所に作ると暴風は吹かない▼せっかくなので、もう少し紹介しよう。トンボが飛び回ると天気が崩れる。朝にハトが鳴くと天気が崩れる。海面が鏡のように光ると天気が崩れる。にわとりが雨にぬれて歩くと、雨は晴れない。新城島が近くにみえるとしける▼これらのことわざは當山善堂著「黒島事典」に収録されている。ことわざという口承伝承は、いずれ時代を読み解くテキストに変わる。スマホやAIの普及で世の中は便利になったが、昔ほど自然を観察しなくなった。本書は今後の生き方を考えるヒントになる。(玉津盛昭)
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