「野底ウミショウブ群生地」認定
- 2024年11月08日
- 地域・教育
石垣島で唯一、絶滅危惧種の海草ウミショウブ群生地の野底エリアが、環境省認定の「自然共生サイト」に県内で初めて選ばれた。沖縄セルラー(宮倉康彰社長)と東京海上アセットマネジメント(横田靖博社長)、富士通(時田隆仁社長)がエコツアーふくみみ(大堀健司代表)、野底小学校(大浜覚校長)と協力して保全などに取り組んでいる。認定書が7日、交付された。
同サイトは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を認定するもので、同エリアはウミガメからの食害を防ぐ柵の設置や水中ドローンを使ったモニタリングなどが実施されている。
野底小学校では、2008年からエコツアーふくみみとともに総合学習の一環としてウミショウブの観察を実施。当時はウミショウブ以外にも10種類近いアマモ類が観察されるなど希少な場所となっていた。
近年、個体数を増やしたアオウミガメによる食害が発生し、保全の強化が求められており、野底小とふくみみでは、クラウドファンディングを活用しながら企業側の支援も得て資金を集め、侵入防止柵を今年5月に設置。現在は柵内での回復の兆しがみられている。
沖縄セルラーはモニタリングなどの技術支援、東京海上AMは全体統括・コンサルティング、富士通は水中ドローンや地元小学校へのモニタリング技術教育などを行い、課題解決に取り組んでいる
認定書授与式が7日、野底小学校で行われ、沖縄セルラーの宮倉社長は「自然環境というのは全ての土台でこれがなければ社会活動は成り立たない。この認定を機に自然環境の取り組みが各地に広がり、ムーブメントになることを期待している」と述べた。
1年生のころからウミショウブを観察している嵩原舞輝さん(6年)は「ウミガメも生きるためには食べなければいけないけど、減っていくのは寂しかった。柵ができてウミショウブが増えてきてうれしい」と話した。
式に招かれた中山義隆市長は「ウミショウブは石垣島の生態系の中で非常に重要な役割を果たしている。島の貴重な自然が世界中にPRされることで観光や研究など社会活動も伸びていく。今後とも自然共生サイトを活用し、次世代につなげてほしい」と期待し、「行政もできる限りの支援をする」と約束した。
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