本島で語られる八重山
27日の投票日まで1週間を切った衆院選。沖縄4区の立候補者は本島南部を中心に訴えを展開、本島での演説ながら八重山の状況を訴える異例の選挙となっている。主に自民と維新は物価高の影響を受ける離島として、立憲民主とれいわは自衛隊の南西シフトの“被害者”として「八重山」を語る。届け出順とは逆に各候補者の主張をまとめた。(那覇支局・玉津盛昭)
山川 仁氏 「不安との戦い」
れいわの新人、山川仁氏(50)は20日午後、南風原町の交差点で決起大会を開催した。山川氏は、反辺野古新基地ワンイシューで運動を展開する「オール沖縄」勢力への不満を述べながら「南西シフトの課題は宮古、八重山で辛いものがあり、毎日が不安との戦いだ。南西シフトに妥協せず反対しているのは山川仁だけだ」と強調した。15日の出発式でも同様に訴えている。
政策には▽災害に強い食料安全保障▽南西シフトや辺野古新基地反対▽消費税廃止―などがある。
西銘恒三郎氏 「西表で三千万円」
自民前職の西銘恒三郎氏(70)は16日夜、豊見城市中央公民館の総決起大会で「賃上げ好循環社会をつくる」と政策を訴えた。その中で西表島の事例を挙げ「例えば沖縄本島で一千万円で家が建つとしたら、西表では三千万円かかる。物流システムは複雑だが、現実に物流コストが上がり生コンが高くなっている」と述べ、解決に向けて思案を巡らせた。
政策は▽医療・介護・保育・福祉の賃金増▽流通コスト負担軽減▽国民保護の取り組み―など。
山川泰博氏 「建築に影響」
維新の新人、山川泰博氏(54)は市街地を練り歩きながら演説を展開している。20日夕、豊見城市内で演説した山川氏は全国的な食料品の値上げといった物価高問題を伝え、石垣島や与那国島の事情を説明。「物価高で資材高騰、一戸建て住宅、アパート建築にも影響が出ている。若い人が住宅を建てられる状況じゃない」と現状を訴え、減税政策をPRした。
政策には▽消費税、法人税、所得税減税▽教育の無償化▽国際物流システムの確立―などがある。
金城 徹氏 「早急に止める」
立民の新人、金城徹氏(71)は自民の裏金に辺野古問題、「台湾有事」をあおるとして政府を批判。20日夜には八重瀬町で総決起大会を開いた。金城氏は「先島では自衛隊基地が増強され、ミサイル配備が続いている」と現状を訴え、「軍備増強は風光明媚な八重山に似つかわしくない。早急に止めなければならない。向かっていく先には皆さんの犠牲が待っている」と警鐘を鳴らす。
政策は▽インフレ手当3万円▽合意のない自衛隊基地配備強化に反対▽医療格差の是正―など。
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