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本には先人たちの経験や研究が分かりやすく…

 本には先人たちの経験や研究が分かりやすく、あるいは難しく書かれている。教師や親から本に親しむよう勧められ、図書館で友だちと競争するように本を読んだ人もいることだろう▼でも、どうやら「本をたくさん読めばいい」というものではないらしい。「多読に注意」といった主張は昔からある▼例えばドイツの哲学者、アルトゥル・ショウペンハウエルは著作「読書について」で、本の多読によって自ら考える力が失われると警告する。他人の頭で考えることが読書と位置付け、自分の思想を生み出すためには有害とばっさり斬った▼フランスの詩人、ヴァレリー・ラルボーに至っては「罰せられざる悪徳・読書」の中で、本にまつわる誘惑をいくつか紹介している。本を乱読すると読んだこと全てを自慢したくなり、有名な作家と違って無名の作家には価値がないと思い込む―といった調子だ▼こうも読書や多読にデメリットがあると「じゃあ、本を読まないほうがいいな」と感じるわけだが、そこは早合点なので注意。この偉人たちのメッセージは「本の内容や作家を神聖化せず、自分で考えろ」といったところか▼さて、季節も秋が近づき、朝夕は涼しくなってきた。27日から読書週間が始まる。読書の秋。本との付き合い方を考えよう。(玉津盛昭)

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