染織至宝展に5016人来場
- 2024年10月22日
- 芸能・文化
石垣市民会館中ホールで2日から開催されていた「沖縄の染と織の至宝―桃原用昇コレクション八重山展―」(石垣市・石垣市教育委員会主催、一般財団法人沖縄美ら島財団共催)は20日、閉幕した。延べ来場者が石垣市人口の10%に当たる5016人を数えるなど大盛況。桃原用昇氏(82)は21日、「日本最南端の文化都市の証。新博物館・美術館建設の機運が高まった」と喜び、今年度内に石垣市と寄贈契約を締結する意向を示した。
同展は前期(2~8日)と後期(11~20日)に分けて行われ、いずれも名誉市民で人間国宝の鎌倉芳太郎氏(国指定重要無形文化財「型絵染」保持者)と玉那覇有公氏(国指定重要無形文化財「紅型」保持者)、期間中に人間国宝の認定を受けた新垣幸子(国指定重要無形文化財「八重山上布」技保持者)ら9氏の染織作品計114点が展示された。
これらの作品は、県立美術館・博物館で昨年開催された展示会以降、桃原氏から委託を受けた沖縄美ら島財団が管理している。桃原氏は今年度内にコレクションの無償提供を内容とする寄贈契約を石垣市と結び、「新博物館・美術館」完成後に美ら島財団から市に引き渡すことにしている。
桃原氏は「5016人という多くの人に見てもらってうれしく思う。石垣市の日本最南端の文化のまちだなということを改めて感じた。21年前に新垣氏の作品に出会ってコレクションを始め、新垣氏は人間国宝になるべきだと言い続けてきたので、期間中に人間国宝に認定されたのも奇縁、奇跡的だった」と振り返った。
期待した新博物館・美術館建設への機運の高まりも「来場者からも新博物館・美術館を早く造るべきだとの声を受け、市民に必要性が浸透したと思う」と実感した。
新館建設に向けては石垣市が今月、市立八重山新博物館基本計画等策定委員会(会長・知念永一郎副市長)を設置して検討を開始しており、桃原氏は「アジアの玄関口、アジアの交流拠点、観光の拠点などと位置づけるなど大きな構想を持ってもらいたい」と期待を寄せた。
関連するニュース
- 国宝級染織作品 一堂に 2024/10/03
- 新垣氏ら9作家 114点展示 2024/09/28