沖縄の染と織の至宝―桃原用昇コレクション…
- 2024年10月22日
- 不連続線
沖縄の染と織の至宝―桃原用昇コレクション八重山展―を見た。「美しき匠のてわざ」をうたうように、このたび人間国宝となった新垣幸子氏の八重山上布作品をはじめ、ゆかりの人々の紅型など豊かな染織作品が豪華に展示され、実に圧巻であった▼「日本最南端の自然文化都市」を都市目標宣言に掲げる石垣市である。その名に恥じぬきらめきを放つ上布作品群は、ひとえに八重山の文化風土を背景に作家の美的感性がはぐくんだもの▼桃原氏が私財を投じて収集したこれらの作品群は、石垣市が新たに整備を予定している市立博物館・美術館が竣工になったあかつきには、すべて市に寄贈すると氏はかねてより明言している。氏のふるさとへの思いに市はどのように報いるべきか▼新八重山博物館建設が動き始めた。その基本理念や事業活動案、建設予定地の検討が進められる。あとわずか2回の審議で大枠を決めるという▼「三度目の正直」である。前2回も基本計画や基本構想などが検討作成されたが、財政上の「できない理由」を探していたようにも見えた▼いくつか要望したい。建設地は提示3カ所以外に旧庁舎跡地を含め検討を。多様な意見を汲み、悔いを残すことなく議論を尽くしてほしい。大屋根は本物の赤瓦を使い、後世に誇れる風格と重厚さを。(慶田盛伸)
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