補償方針、理解得られず
- 2024年10月18日
- 政治・行政
旧石垣空港跡地の土地区画整理事業に伴い、都市計画道路の決定に係る説明会(石垣市主催)が16日夜、石垣市総合体育館であった。都市計画道路は国道・県道・市道の計13路線を決定予定。計画道路沿線上に民間の土地や建物があるため、所有者や集合住宅の住民から、用地買収や退去などへの補償について質疑が飛んだ。市は、計画決定後に不動産鑑定などを入れて、補償の個別相談・調整を行う方針を示したが、参加者から十分な理解は得られなかった。
市都市建設課によると計画道路が通る土地の所有者、集合住宅の住民などを対象に声をかけた。説明会には120人が集まった。
現在、国道390号は新石垣空港と既成市街地をつなぐ主要道路となっており、今後、新石垣空港と既成市街地を最短距離でつなぐ新たな軸として「一般県道石垣空港線」が整備中だ。国道390号や石垣空港線の東西道路ネットワークが形成されているものの、石垣空港跡地によって南北が分断され南北動線が確保されていない課題がある。
そのため、石垣空港跡地土地区画整理事業の計画に合わせて、空港跡地周辺との道路ネットワーク強化のほか、沿岸部の津波災害警戒区域から高台となる空港跡地周辺への避難路を確保するなど、防災機能を強化するため「国道390号」「一般県道石垣空港線」「市道旧空港跡地線」「市道真栄里南大浜線」など、国道・県道・市道の計13路線を決定する計画。
説明後の意見交換で、ある男性は民有地と石垣市有地の等価交換が可能か質問。都市建設課の担当者は「対象の土地の規模、場所、価値などを個別に相談して検討したい」と説明。また、男性は建築単価や物価高騰で、同じ建物を同じ価格で建てられないと心配し、「最低でも買った価格で買い取ってくれないと土地や建物は売れない」と懸念を示した。同担当者は「厳重に調査して、工事価格を算定して説明したい」と回答。
市が掲げる用地取得計画で、県立八重山病院の医師住宅も移転しなければならないと指摘した男性は「旧空港跡地の医療連携複合系施設の場所に、医師住宅を建設することはできないか」と要望。担当者は「イエスとは言えない」と述べるに留めた。
居住する集合住宅に計画道路がかかるため、退去が迫られることを心配する男性は、計画の見直しを訴えた。その上で、ことし4月の津波警報で市民らが高台避難を自家用車などで行ったため、公道が大渋滞したことを振り返り「4月の時に、道路はいくら造っても皆が車で避難すれば道路は使えないことが判明した。運用する人間が追い付いていないので、ネットワークやソフトを充実させるべきではないか」と追及。同担当者は「人と人との連携は必要だと市役所も認識した。円滑な避難につなげられるように考えていきたい」とした。
今後は、計画の原案を作成し、来年1月以降に住民向けの公聴会、都市計画案を作成し来年2月以降に都市計画案の公告・縦覧(市決定分)、石垣市都市計画審議会への付議、来年5月以降の都市計画決定(市決定分)を予定している。
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