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沖縄4区 4氏の争いに

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衆院選公示
ダブル分裂選に突入
県内16人立候補

 27日投開票の第50回衆院選が15日公示され、八重山3市町を含む沖縄4区にはオール沖縄会議共同代表で新人の金城徹氏(71)=立民=、元豊見城市議で新人の山川泰博氏(54)=維新=、前職の西銘恒三郎氏(70)=自民=、前豊見城市長で新人の山川仁氏(50)=れいわ=が立候補を届け出た。今選挙は自公と「オール沖縄」勢力に加え、国政政党のれいわと維新の候補者が参戦。主に自民と維新で保守票、オール沖縄とれいわで「反辺野古新基地」票を分け合うダブル分裂選に突入した。県内選挙区には16人が立候補した。(2・7・8面に関連)

 金城陣営は午前9時に南風原町の津嘉山十字路で出発式。金城氏は故・翁長雄志氏の言葉を引用しながら「オール沖縄の意味をもう一度、この選挙で訴えたい」と力を込めた。

 維新の山川陣営は午前9時、豊見城団地交差点で出発式を開いた。山川氏は沖縄の県民所得が全国最下位など説明、「国政の場から全国ワーストを脱却する」と経済政策を訴えた。

 西銘陣営は午前8時30分、南風原町兼城交差点で出陣式。西銘氏は東アジアの安全保障環境を説明し「専制主義の国家とのバランスを取って平和を守り抜く」と強調した。

 れいわの山川陣営は午前10時、糸満市の兼城交差点で出発式を開いた。山川氏は政府が進める自衛隊の南西シフトに触れ「ミサイル配備には一切妥協せず反対する」と主張した。

 県選挙管理委員会によると14日時点の選挙人名簿登録者数は県全体で117万5633人。11市町からなる4区は29万8561人。このうち石垣市3万9556人、竹富町3463人、与那国町1421人。

 県内では1区(那覇市、島尻郡)に下地幹郎氏(63、元職)=無所属=、国場幸之助氏(51、前職)=自民=、和田知久氏(64、新人)=参政=、赤嶺政賢氏(76、前職)=共産=の4氏。2区(宜野湾・浦添市、中頭郡)は今野麻美氏(47、新人)=参政=、宮﨑政久氏(59、前職)=自民=、赤嶺昇氏(57、新人)=維新=、新垣邦男氏(68、前職)=社民=、比嘉隆氏(47、新人)=無所属=の5氏。3区(名護・うるま市など)は屋良朝博氏(62、前職)=立民=、島尻安伊子氏(59、前職)=自民=、新城司氏(46、新人)=参政=の3氏が立候補した。

 4氏の略歴 

 金城徹(きんじょう・とおる)。1953年9月19日生まれ。名古屋電気通信工学院卒。那覇市議6期、09年から2期議長。

 山川泰博(やまかわ・やすひろ)。1970年6月8日生まれ。日本文理大卒。豊見城市議2期、那覇市議1期。

 西銘恒三郎(にしめ・こうさぶろう)。1954年8月7日生まれ。上智大卒。03年から衆院議員、21年に沖縄北方対策担当大臣。

 山川仁(やまかわ・ひとし)。1974年9月24日生まれ。豊見城南高卒。豊見城市議を2期、18年から豊見城市長1期4年。

 

金城徹氏 第一声「政治の力で平和守る」

 政治の役割、使命が三つある。一つは物価高で苦しい思いをしている皆さんに、政治が手を差し伸べること。二つ目は本島南部地域を経済発展させ、地域を豊かにする。三つ目に政治の力で平和を守る、国民を戦争に巻き込まない。

 若い女性は赤ちゃんを育てる中で粉ミルク代が高騰し、薄めて飲ませている。このようなことは、政治の怠慢だ。法律を決めて社会のルールをつくる国会議員が裏金を受け取っている。今の政治を変えるには政権交代しかない。台湾有事を言う国会議員、政党幹部がいる。宮古、八重山、与那国の人々は大変不安に感じている。住み慣れた土地で暮らしたいと思う人の気持ちを踏みにじるような台湾有事の喧伝は許せない。

 

 2014年からオール沖縄の先頭で走ってきた。オール沖縄の若い政治家が「もう辺野古の基地の話はいいんじゃないか」と私の感覚と違う状況になっている。オール沖縄の意味をもう一度、この選挙で訴えたい。イデオロギーで反対しているのではない。政治の役割、将来に向けて今の県民の役割を果たし、意志を示す。選挙を勝ち抜いて、思いを結実させよう。

 

山川泰博氏 第一声「全国ワースト脱却を」

 この30年は失われた30年と言われている。世界と比べ日本の所得はほぼ上がっていない。韓国にも抜かれた。GDPも下がっている。沖縄振興計画を52年続けたが県民所得、子の貧困率も全国ワーストで脱却できない。 道路整備、港湾整備、インフラ整備は県外と比べても近づいたが、物価高で県民生活は厳しく、所得は上がらない。社会保険料の負担も、給料の30%弱は大きな負担になっている。県民、国民の生活をよくするには減税しかない。

 自公の反対でまだ実現していないが、国民負担軽減法案では消費税、社保料の減額、ガソリン税の暫定税率の廃止、法人税の減税をしながら、国民の手元に不可分所得のお金を残す。

 経済を活性化させることで税収も上がる。減税する政治をしなければ生活が苦しくなる。国政の場で沖縄県の全国ワーストを脱却し、全国ナンバーワンを目指す政治を行いたい。

 大阪では大学無償化も始まった。大阪にできて沖縄にできないことはない。必ず実現させる。

 大きな企業、組合、宗教団体がついていない小さな組織だが、一人一人が私たちの支援団体だ。

 

西銘恒三郎氏 第一声「平和状態永続に全力」

 沖縄4区は、県のみならず国全体にとっても非常に重要な位置にある。ロシアのウクライナ侵略以降、北朝鮮がミサイル発射開発を着々と進めている。中国は先日も台湾を取り囲むように軍事演習をした。南シナ海も島に滑走路ができて、中国の基地になった。

 私たちは日米同盟を基軸にしながら、自由民主主義、基本的人権の価値観を共有する国々と連携し、ロシア、北朝鮮、中国の専制主義の国家とバランスを取って平和を守り抜く。平和な状態を永続させることに全勢力を集中する。

 岸田内閣の賃上げ好循環社会、防衛費増額、子育て世代への重点的な社会保障。この方針を受け継ぎ石破内閣は、どの島にいても、どの地域で暮らしていても、子どもたちの教育、高齢者の福祉のサービスがどこにいても変わりのないような地方創生をつくる。

 いかに所得を上げていくのかも争点の一つだ。政治の力で給与を上げる。税制であれ予算の財政であれ使えるものは全て使い、賃上げ好循環社会をつくる。原点を忘れず、皆さんの力を借りて選挙区で勝ち抜きたい。選挙区は西銘、比例は公明の体制で力添えを。

 

山川仁氏 第一声「消費税廃止を求める」

 れいわは国民が苦しい立場である以上、消費税の廃止を求める。この選挙は経済が一丁目一番地、県民の生活に重点を置いて訴える。物価高、ガソリン税も下がらず、所得は上がらない。まだ自民政権に寄り添うのか。

 18年から22年には豊見城市長を務めた。厳しい財政状況を、県下上位まで立て直した。基地もない自衛隊もない特別な補助金もない自治体でも市民に還元できると学んだ。国政の場で県民所得の状況を変えたい。

 南西シフトと呼ばれる離島の防衛増強の問題がある。自衛隊の南西シフト、ミサイル配備には一切妥協せず反対する。自衛隊問題は防災の観点から国民を守れる災害に強い国づくりを進める。離島格差がなくなるよう積極財政支援を行う。

 オール沖縄と言われる玉城県政を支える勢力があるが、私も辺野古新基地に反対して玉城デニー県政を支えている。分裂選ではない。私の心は沖縄県民を向き、経済と平和の両輪を持って故・翁長雄志知事の精神を受け継ぐ。

 すぐにでも結果が出せるような政治力を提供したい。沖縄からチェンジ。皆さん、変えていこう。

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