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「白い北風」が肌に心地よく吹き抜けてゆく…

 「白い北風」が肌に心地よく吹き抜けてゆく。空は高く、郡内各学校では運動会シーズンである。子どもたちにとってはその大きな楽しみ、お弁当が半数近い学校で中止となったままという。にっくきコロナめ、まだ影響するか▼はるか昭和、子どもたちがわんさかとあふれかえっていた30年代。皆が貧しく、娯楽の少ない頃、運動会は地域の一大イベント。学校は人々の熱気に満ちた▼親たちはきっと、せいいっぱいのぜいたくをして弁当づくりに精出したに違いない。今と比べものにならないくらいの弁当も、当時は大ごちそうだった。何より大家族が、親戚中が寄り集まって、足が速くても遅くても子らを褒めて励ます風景は、それはそれは何よりの幸せの記憶である▼代がかわって平成。昭和の子らは親となり、子育て世代となって弁当を作る番。弁当ははるかに豪勢となった。わが家の定番はポテトサラダ。たっぷりのゆで卵と米国製エゴーマヨネーズを使うのがこだわり▼きっとそれぞれの家庭に定番や、子らの大好きなこだわりのメニューがあるに違いない。でも一番のごちそうはやはり家族の笑顔。昼食がなくとも変わることない運動会風景である▼子らの成長をその目で確認し、家族の絆を確かめ合う。令和の子らにも幸せの記憶が刻まれればそれで良し。(慶田盛伸)

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