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「等閑視」。ものごとをなおざりにすること…

 「等閑視」。ものごとをなおざりにすること。注意を払わず、ないがしろにすること。重要なものとみなさず、深く心にとどめないこと。石破総理の「沖縄の声を等閑視すべきでない」発言である。日米地位協定改定の文脈の中で出てきた▼これまで政治家の「沖縄に寄り添う」は聞き飽きるほど聞いてきたが、どなたも寄り添わなかった。等閑視発言には正直、沖縄の声を重要視することへの期待を持った▼だが、これもすぐ裏切られることになりそうだ。総理の言う地位協定改定の延長線にあるのは「アジア版NATOの構築」「自衛隊基地の米国展開」など軍事上の対等だろう。沖縄が求める答えはそんなところにない。負担軽減、米兵の事件事故防止だ▼氏の国民的人気の背景は、党内野党的な政策通の一言居士。政権に耳の痛いこともずばり言う。5度目の挑戦で総理の座を射止めたからには、自らの言葉の重みに意を配すべきだ▼総理になったとたん、史上最短の解散・総選挙にかじを切り「論戦回避」作戦。裏金議員は一部を非公認として、とにかく勝ちをめざす。代表質問、党首討論を経て明日9日には衆院解散の段取りが進む▼主権者国民を等閑視すれば「納得も共感も」得られまい。まして沖縄の声は国政に響くか。いささか心もとない「政局」である。(慶田盛伸)

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