八重山毎日新聞社

　崎枝入植75周年記念行事が9月29日、崎枝小中学校体育館で行われた。通常だと式典が行われた後に祝賀会という流れだが、違った。はじめに講演会、その後に交流会だった。これにはわけがあった▼崎枝公民館の会員は40世帯余りだが、このうち出身者は10世帯で、残りは本土などからの移住者。崎枝の歩みを知らない人が多くなっているため、講演会で出身者ら3人が75年の歴史や思い出をまず紹介した後、式典に当たる交流会に移った▼単に節目を祝うのではなく、歴史を踏まえた上で郷友会や出身者らと交流し、ともに崎枝の課題を共有して発展に向けた取り組みにつなげようとの趣旨だった▼記念行事に向けても出身者が協力。崎枝中10期卒の福里清信さん（69）＝神奈川県＝は記念誌「崎枝回顧録」の編集者を務めた。講演会でも登壇し、「崎枝は人口が増えたり、減ったりしてきた。これから先、大きく発展する可能性はある」とエールを送った▼その記念誌をめくると、崎枝発祥の「繁盛節」の歌詞が載っている。崎枝のすばらしさをたたえ、ますますの発展をと願う▼開拓・自由移民の多い八重山はよく合衆国と言われる。崎枝はその度合いが強い。知恵を出し合って協力すれば、おもしろい地域になる。記念行事からそんな印象を持った。（比嘉盛友）