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沖縄の染と織の至宝・八重山展 きょう開幕

「沖縄の染と織の至宝―桃原用昇コレクション八重山展―」の準備をする専門スタッフら=1日午前、市民会館中ホール

「沖縄の染と織の至宝―桃原用昇コレクション八重山展―」の準備をする専門スタッフら=1日午前、市民会館中ホール

「作品は永遠」寄贈へ 桃原用昇氏 郷里開催に喜び

 石垣市石垣出身で美術・工芸品収集家の桃原用昇氏(82)=石垣市字石垣出身、東京都在、元角川書店専務=が長年にわたって集めた膨大なコレクションの中から沖縄の染織114点を紹介する「沖縄の染と織の至宝―桃原用昇コレクション八重山展―」(石垣市・石垣市教育委員会主催、一般財団法人沖縄美ら島財団共催)が2日開幕するのに合わせ、桃原氏が八重山毎日新聞社のインタビューに応じた。郷里での開催に「ずっと見てもらいたかった」と喜び、「作品は永遠に残る」として「新石垣市立八重山博物館」に全コレクションを寄贈する意向を改めて示した。(9面に一問一答、8面に展示作家紹介連載、10面に全面広告)。

 桃原氏は約40年にわたって美術・工芸品を収集しているが、沖縄の染織に出会ったのは東京銀座・和光で2003年6月に開催された新垣幸子氏(現県指定無形文化財「八重山上布」技能保持者)=石垣市=の第2回個展だった。

 八重山上布の伝統的なイメージを塗り替えるような鮮やかな色使いと精緻な織に衝撃を受け、沖縄の染織作家の作品を収集するように。現在119点を所有し、うち114点が今回の八重山展で展示される。

 桃原氏は「早く石垣の子どもたちや市民に見てもらいたいという思いがずっとあったので、今回こういう形で展覧会ができたことはうれしい。新垣さんが人間国宝になるので記念の展覧会になる。僕としてもコレクター冥利に尽きる」と感慨深げ。

 沖縄の染織以外にも洋画家の絹谷幸二(1943年~)の作品91点を所有するなど、美術・工芸の収集品は数百点に及び、桃原氏は「40年かけて集めたものをすべて石垣市に寄贈するのは僕の喜び。人間の寿命には限りがあるが、芸術作品は永遠。これらの芸術作品を見て感動してもらえれば、こんなにうれしいことはない」と話す。

 石垣市はことし4月、観光文化課内に博物館建設準備室を設置し、作業を本格化させる。桃原氏は「今回の展覧会の開催で新博物館に対する機運が高まり、早期建設に拍車がかかれば」と期待を込めた。

  • タグ: 染織沖縄
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